ドローンなしでは戦えない現状
たとえば『ニューヨーク・タイムズ』によれば、2022年5月1日、ウクライナ政府高官らの話として、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長が先週、ウクライナ東部のイジュームを訪れ、戦線の視察や作戦の指導をしたとされ、米当局者もロシア軍の制服組トップが先週、前線のウクライナ東部を訪れていたことを確認したと明らかにしました。
イジュームは、東部での攻勢を強めるロシア軍が拠点としている街です。ウクライナ軍がロシア支配都市イジュームの第12学校にあるゲラシモフ将軍が訪問した陣地への攻撃を開始した時、ゲラシモフ将軍はすでにロシアへ向けて出発していた。それでも、少なくとも1人の将軍を含む約200人の兵士が死亡したとのことです。
おそらく米軍はゲラシモフの前線訪問を事前に察知していた可能性が高いと思われますが、結果から見て、その情報がタイムリーにウクライナに提供されることはなかったということです。仮に、早い段階で提供してウクライナ軍が参謀総長を殺害しようとした場合、ロシアの報復攻撃が激化することや核の使用の懸念が考えられたからだと思われます。
このように選択的ではあるものの、NATO軍などから得た情報とウクライナ軍自らドローンや偵察部隊を運用して得た細部の情報をもとに目標情報を得ているようです。
少なくとも戦争初期の2022年5月の時点で、ウクライナ軍は偵察用のドローンを6000機以上運用しているとされます。その後も西側の支援によりその数は維持または増加しているはずです。ドローンは、衛星システムともリンクしていて画像や映像をアップロードできるとされています。