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金銭で雇われるのが傭兵、信念で参加するのが義勇兵

昨年2月にロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻が開始されると、日本から多数の義勇兵志望者がウクライナに渡ったというニュースが大きく取り上げられた。

新聞、ニュース番組、はたまた情報番組『ミヤネ屋』までが血眼になって日本人義勇兵を探しだしてインタビューを敢行した。私の6歳になる娘の保育園時代のパパ友でさえウクライナで戦う日本人義勇兵のTwitterをフォローするほど、義勇兵の知名度が上がったのには驚いた。

しかし、「義勇兵」の定義とはなんだろう? 「傭兵」との違いは?
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏によると、その違いはこうあるらしい。

“主に金銭を理由に雇われるのが傭兵、信念を持って参加するのが義勇兵”

これまでアフガニスタンやシリアなど数々の紛争地を取材してきたが、そこには必ず義勇兵の存在があった。ウクライナ戦争では世界各国から多くの義勇兵が参加しており、彼らが戦う理由を知りたいと思った。

私は今年7月、つい2週間前に激戦が続くウクライナ東部戦線の前線部隊に配属されたばかりだという45歳の日本人義勇兵、ケンさんに出会った。

日本人義勇兵のケンさん
日本人義勇兵のケンさん
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特殊部隊が愛用するOPS-COREタイプのヘルメット、動きやすい防弾プレートキャリアを身につけ、使い込まれたAK74アサルトライフルを手にしたケンさんからは歴戦の戦士の風格が漂っているが、日本では自衛隊に在籍していた経験もなく軍事に関してはまったくの素人だという。

義勇兵のイメージというと、なんとなく強面のタフガイを想像するが、彼の人相からは人生の裏街道を歩いてきたかのような影は微塵もなく、明るくコミュニケーション能力が高いナイスガイだ。ケンさんは平穏な日本で不自由のない人生が送れたはずなのに何故、義勇兵になったのか?

ウクライナ東部・トリエツクで破壊された家
ウクライナ東部・トリエツクで破壊された家

そんなケンさんの義勇兵としての揺るぎない信念と戦火のウクライナに赴くことになった複雑な事情を聞いた。