目指すは「ほっともっとのから揚弁当」(490円)
――車両やタクシーじゃないと移動したくない芸人も多いのでは?
もちろん芸人によるでしょうね。何万円もする会席料理を提供するお店もあれば、早くて安い牛丼を提供するお店もあるように、芸人にもそれぞれの味があって、魅力がある。僕は「あったらとりあえず入ります」くらいのお店。
――大戸屋などの定食屋のような。
いや、まだ高いですね(笑)。目指すは、「ほっともっとのから揚弁当」かな。美味しいし、すぐにテイクアウトできるあの気軽さ。
――芸歴でいえば30年目のベテランになるわけですが、どうしてそこまでウェルカムな姿勢を貫けるのでしょうか?
これにも理由があるんですよ。ちょうど20年前くらいに、DonDokoDonの山口(智充)さんの芸を生で見たことがあって、それがもう、すごかった。「芸人辞めようかな」と思うくらいの衝撃で。
だけど、そんな山口さんだってテレビなどでスケジュールは埋まるし、体調を崩して仕事にいけないときもある。そのときの代理としてだったらええかな、自分がハマるポジションもあるかなと。営業に限らず、そこで芸人としてできることを真剣に考えた感じですね。
あと、コンビ(サバンナ)で言えば100%相方(高橋茂雄)が握っているから、じつはすごく楽なんですよ。自分のことだけみておけばいい。
――ピンとしての目標はどこに置いているのでしょうか?
お金を稼ぐってことだと、上を見れば大谷翔平やイーロン・マスクと比べなきゃいけなくなる。だから自分のゴールは、自分の子どもをきちんと成人させること。それ以上もそれ以下でもないです。
――いまよりもっと稼いで億万長者になろう、という意志はないと。
僕の勝手な理論ですが、極端に稼ぎすぎると子どもに悪影響が出ちゃうような気がするんです。どういうことかというと、例えば僕がめちゃくちゃ稼いで、東京で5億の家を買ったとしたら、その時点で莫大な固定資産税を支払わなきゃいけなくなって、子どもが一般のサラリーマンをやるのが難しくなる。
それは将来の選択肢を奪うのと一緒だから、なるべく日本人の中央値に近い状態で(資産を)渡してあげたい。ただ、実際に5億くれるならすぐに貰いますけど。単なる負け惜しみだと思ってください(笑)。