2023年度(1月~12月)に反響の大きかったインタビュー記事ベスト10をお届けする。第10位は、吉本興業を退社し、海外移住を発表したばかりだった樺澤まどかさんを直撃取材した記事だった。(初公開日:2023年10月7日。記事は公開日の状況。ご注意ください)

吉本興業での4年間

「ダメな人間だからこそできる表現がある」北野武を演じる林遣都がおぼえる共感。「必要以上に考えてしまう“気にしい”なところが僕のコンプレックス」_1
樺澤まどかさん
すべての画像を見る

――8月29日、かまいたちのYouTubeチャンネルにて、吉本興業からの退社が発表されました。今後は海外に移住されることも明かされ、大いに話題になりましたね。

仕事関係の方や、友人たちが連日開いてくれた送迎会があまりにも盛大で、気まずいぐらいです。こんな送り出し方されたら、半年や1年で帰ってくるわけにはいかない(笑)。

――ソロアーティスト時代の楽曲『夢』で「へやからでたくない」と歌っていた方とは思えません。

本当ですよね。移住を伝えたら、担当していたとろサーモンの久保田(かずのぶ)さんにご祝儀をいただいたんですよ。なくさないよう、しっかり銀行に入金してあります。

――樺澤さんは2019年、吉本入社1年目にアイドルグループ・吉本坂46のメンバーに。現役マネージャー兼アイドルとして話題になりましたが、仕事との両立は難しかったのではないでしょうか。

マネージャー業は忙しかったですし、(『永遠のゴールドラッシュ』の)ダンスの難しさには苦労しましたが、両立が難しいと思ったことはありません。むしろ、ふだんの業務と並行して吉本坂46のレッスンや公演を行なうことで、仕事に偏りがちな心のバランスを保つことができたと思います。何より、マネージャーもアイドルも“好き”でやっていたことですから、大変だと感じたことは一度もないですね。

――コロナ禍もあり、吉本坂46は21年10月に活動休止を発表。しかし翌11月、今度はソロアーティスト・樺澤まどかとしてデビュー。5回の単独ライブを成功させ、22年12月に引退宣言したのもつかの間、吉本退社&海外移住発表。怒濤の4年間ですが、特に今回の吉本退社には、皆さん驚かれたのでは?

かまいたちのふたりも驚いていました。実は今年の春、上司にだけ夏に退社するという意思を伝えていたんですが、途中で決意が揺らいで迷ったことがあったんです。

かまいたちマネージャー樺澤まどか、オーストラリアへ。吉本興業を辞めた理由とは? 「コロナ以降、何かを決めるときには常に死を意識してます」【2023インタビュー記事 10位】_2

――やめるのを、やめますと。

周囲から「やめないほうがいい」「いい環境なのにもったいない」って言われて、迷いが生まれてしまったんですね。でも上司に再度相談したら、「一時の感情に流されるのはダサいぞ。自分がやりたいことをちゃんと考えろ。おまえはこれからどうなりたいんだ?」って言われて、自分の正直な気持ちに気がついたんです。そして結局、「やめるのを、やめるのを、やめます」……と(笑)。