高校の避難所で生活する生徒は…

同小学校の近くを大型犬と散歩していた女性も、「玄関付近」での寝泊まりを余儀なくされているひとりだった。

「私もこの子と一緒に飯田小の玄関付近で夜を過ごしていますが、最近は、ダンボールや毛布が配布されたのでずいぶん快適になりましたね。ウチの子はまだ大人しいのでよかったのですが、吠えやすい性格のワンちゃんは、ずっと飼い主さんと車中泊してる子もいますし、なかなか大変な日々を送っています。とはいえ避難所にいるワンちゃんたちも人間と同じくかなり地震には敏感で、余震があるとビックリして伏せたり慌てたりするので、少しでも早く以前のような日常に戻ってほしいです」

地震と津波で倒壊した家屋(撮影/集英社オンライン)
地震と津波で倒壊した家屋(撮影/集英社オンライン)
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避難所の勉強もままならない環境に、中高生たちはどう対応しているのだろうか。飯田高校の避難所で生活する同校1年の男子生徒(16)は自宅が津波で半壊してしまったという。

「地震の後すぐにGoogleの『クラスルーム』というアプリに担任の先生から『みんなの安否が気になります。連絡してください』とメッセージが入りました。幸い、同級生で亡くなってしまった子はいませんでした。でも、三崎町や寺家に住んでいる子の中には、家が流されたり全壊してしまった子がいるとは聞きました。自分は避難所に同じ学校の友達も何人かいるので、あまり心細くはないです。

卓球場が開放されているのでヒマなときはそこで遊んだり、2、3日前から電波も復旧したので、夜はスマホゲームやSNSを見て時間をつぶしていますね。部活は野球部ですけど、グラウンドは地割れして液状化もしているので、当分の間、練習できそうにありません。一応、15日から冬休みが明けて学校は再開する予定ですが、水道が通らなければまた延期するそうです。先はまったく見えませんが、とりあえずお風呂に入りたいです」

老若男女、そして家族同然のペットたち。極寒の被災地の試練は続く。

珠洲市の海岸(撮影/集英社オンライン)
珠洲市の海岸(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班