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お風呂は金沢や富山県氷見市まで入りに行く

震災の影響で羽咋(はくい)駅から七尾駅間の運転を取りやめていたJR七尾線も、1月22日の始発から全線で運転を再開し、活気を取り戻しつつある。取材班が26日午後7時ごろに七尾駅を訪れると、改札から制服姿の男女がポツポツと出てきた。

JR七尾線も再開し、駅舎に明かりが灯る七尾駅
JR七尾線も再開し、駅舎に明かりが灯る七尾駅
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「ようやく今週から学校に通えるようになってうれしいです」と声を弾ませたのは、津幡町の国立石川工業高等専門学校(高専)に通う3年生の男子学生(18)だ。学校の最寄りの津幡駅へは七尾駅から電車で1時間20分ほどかかるという。

高専とは実践的・創造的技術者養成を目的に設立された5年制の高等教育機関で、全国に57校(国立51、公立3、私立3)があり、約6万人が学んでいる。入学資格は「中学卒業者」で高校と同様だが、文科省の所管は大学と同じ「高等教育局」のため、1~5年生までの呼称は「学生」である。

この学生によれば、冬休みが7日で終わり、8日から通常授業再開のはずだったが、七尾線の不通などの影響もあり、冬休みは一週間延び、以降はオンライン授業で対応していたという。

七尾駅から出てくる学生たち
七尾駅から出てくる学生たち

「これまでは自宅でオンライン授業を受けていたので、友達とも会えずに孤独でした。今週からクラスメイトにも会えるようになったので、以前のような暮らしには近づいてきましたね。

とはいえ、七尾市では今でも断水が続いているので、風呂に入るにも家族で車に乗って金沢や富山県氷見市まで行ってます。水不足も深刻で、1日に1回は近所のうどん屋さんに地下水を汲みに行ってます。一日も早くふだん通りに戻ってほしいですね」