忘年会を当たり前に行うという文化が消失

アサヒが復活するためのポイントの1つが、宴会需要の完全回復だ。しかし、その望みは薄い。総務省の家計調査によると、2023年10月の交際費の平均は7897円だった。2019年同月は1万1168円だ。3割減少している。

日本フードサービス協会の調査(「外食産業市場動向調査」)では、2023年10月の居酒屋店の月次売上は2019年比65.3%だった。コロナ禍からほぼ日常を取り戻した2023年の忘年会シーズンは宴会需要回復の一つの試金石になるが、見通しは暗い。

国内ビール業界の勢力図は塗り変わるか…「宴会需要の完全回復」「酒税改正」のなか、アサヒとキリン、それぞれの戦略の勝者は_4

東京商工リサーチが4747社に実施したアンケート結果(「2023年「忘・新年会に関するアンケート」調査」)によると、コロナ禍以前に忘年会を実施していたが今年は開催しないと回答した企業は21.8%にのぼっている。その理由は参加に抵抗感を示す従業員が多いというものが42.2%で圧倒的だ。

忘年会はもはや感染云々という話ではなく、それに参加する意味や意義が問われるようになり、開催する機運そのものがなくなったのだ。アサヒビールは業績回復に向け、家庭向けの戦略を本格化するタイミングが訪れている。