#2 専門学校もアシスタントも行かず、独学で漫画家になった インタビュー後編
【あらすじ】
吃音症で自分の気持ちを表に出すのが苦手だった高校1年の小谷花木(こたに・かぼく)は、人目を気にせずダンスに没頭する湾田光莉(わんだ・ひかり)に憧れて、未経験のダンス部に入部。部長の宮尾恩(みやお・おん)や先輩の厳島伊折(いつくしま・いおり)、技巧派B-BOYの壁谷楽(かべや・がく)らと出会い、ダンスの魅力に目覚めていく。
あの頃の夢の続きを作品で…
――まずはストリートダンスを題材に選んだ経緯を教えてください。
珈琲 前作(『しったかブリリア』)や前々作(『のぼる小寺さん』)では、自分があまり経験していないことを描いてきたので、次はあまり人に言いたくなかった過去の失敗をちゃんと題材にした方がいいのかなと思ったんです。僕は19歳ぐらいで一度ダンスをやめていて、その時は「もうダンスに関わりたくない」と思っていたんですが、それから10年経って、夢の続きみたいなことが描けたらと。
集英社オンラインA(以下、編集A) おぉ! コミックス3巻のカバー袖にある著者コメントに「あの日の夢の続きを見せる。」とありましたよね。私も学生時代にストリートダンスに打ち込んでいて、報われなさを感じてきたので、あの言葉がめちゃくちゃ響きました。
珈琲 そうなんですね。
編集A ストリートダンスの動きを平面上で表現するってめちゃくちゃ難しいことだと思うんです。だけど、『ワンダンス』は、今まで見たダンスマンガの中で一番それに成功している。作中に出てくる音楽にもリスペクトを感じますし、「どんな方がこの作品を描いているんだろう?」と思って、お会いしてみたくて、今回インタビューをお願いしたしだいです。
珈琲 経験者にそう言ってもらえるとうれしいです。それ、記事に書いといてくださいね(笑)。