コンビ名「クロコップ」の由来
——ところでクロコップはM-1も出ているんですか。
しょうた 僕は出たことないですね。
荒木 僕はクロコップを結成する前、大阪にいた頃に他のコンビで出たことはあります。もともと漫才をやりたくて芸人になったんですけど、2年目ぐらいからオープンフィンガーグローブを付けてピン芸人をやり始めたら、漫才はもういいやってなっちゃった。
——向いてなかったということですか?
荒木 向いてないです。ざっくり言うと、漫才って素の自分でしゃべる芸で、コントは役を演じる芸じゃないですか。でも、漫才をやってても、コントみたいだって言われて。変なことばっかりやっていたからでしょうね。要するに、僕が素を出しているつもりでも、役を演じているように見えちゃうんですよ。
それこそ、この前のR-1(グランプリ)で優勝したお見送り芸人しんいちとルームシェアしていたことがあるんですけど、彼にも「漫才やめた方がいいです」って言われて。
――それは素の状態でもおもしろいという意味ではないんですか。だったら、最高の武器じゃないですか。
荒木 おもしろいんじゃないんです。僕は、変なんです。じゃないと、こんな格闘技用のグローブを着けてネタなんてしないんで。
——実際、格闘技経験もあるのですか。
荒木 ないです。見る専門です。そもそも格闘技している人は普段、こんなの着けません。僕は単なるコレクターなんで。
――ちなみに、クロコップというコンビ名は、格闘家のミルコ・クロコップからきているんですよね。
荒木 そうです。僕は格闘技が好きなんで、つけるなら格闘家の名前がいいなと思っていて。
しょうた 僕は別に好きじゃないんですけど。本当は他にもっと候補があったんだよな。
荒木 あったけど、語感がいちばんかわいかったので。でも、ちゃんと意味もあるんですよ。ミルコ・クロコップって、勝っても負けても、判定が少ない選手だったんです。そこが僕は好きで。ウケるときはめっちゃウケるけど、スベるときは豪快にスベる……僕らと同じゃないですか。
取材・文/中村計 撮影/村上庄吾
クロコップインタビュー ♯1はこちら、♯2はこちら
「キングオブコント2022ファイナリストインタビュー」
ビスケットブラザーズ ♯1、♯2、♯3
ロングコートダディ ♯1、♯2、♯3
や団 ♯1、♯2、♯3