タクシー運転手が受験する地理試験って知ってる?
「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」通称、地理試験とは、二種免許と同じ国家資格で、おもに東京、大阪、神奈川の指定区域でタクシードライバーになるためには必須となる試験だ。
試験の出題範囲は、通りの名前、交差点名はもちろん、名所・旧跡、駅、著名なホテル、公園、建物など多岐に渡り、40問中32問…正解率80%以上で合格という、超・狭き門なのである。
タクシーに乗った際ドライバーさんに「◯◯までお願いします」と目的地を伝えると、多くのドライバーさんは「◯◯通りから、◯◯通りを抜けて、◯◯交差点を右でいいですか?」と、瞬時に目的地までのルートを確認してくる。このやり取りは、地理試験の知識があるからこそなのだ。
せっかくなので、問題を解いてみよう!
※解答は、記事の最後に掲載しています。
問題1
次のA群の幹線道路が、B群の幹線道路と交わる交差点名を下記の解答群の中から選びなさい。
A群幹線道路 B群幹線道路 交差点
青梅街道 ― 吉祥寺通り (1)
環七通り ― 池上通り (2)
方南通り ― 山手通り (3)
靖国通り ― 中央通り (4)
新青梅街道 ― 中杉通り (5)
ア、 須田町 イ、関町交番前 ウ、春日橋 エ、鷺宮四丁目
オ、清水橋 カ、小川町 キ、貫井二丁目
問題2
次の乗車地から降車地までの、最短経路で経由する交差点名を解答群の中から順番に選びなさい。
乗車地 岩波ホール→
(1)→(2)→(3)→春日町→(4)→(5)→都営三田線 巣鴨駅
イ、 白山二丁目 イ、千石一丁目 ウ、水道橋 エ、本郷三丁目
オ、上富士前 カ、三崎町 キ、壱岐坂下
ちなみにベテランドライバーともなると、地理が頭に入っているだけでなく、天気、曜日、イベントの開始時間と終了予定時間といった基礎情報を元に、その日の戦略を構築。どのエリアをメインに攻めるのか? 車に乗り込む前に、走るコースを思い描いているというのだ。
さらにすごいのは、緻密に描いた戦略に、培ってきた経験をプラス。「こっちの道の方がお客さんがいそうだ」とか、「あそこに行ってみよう」とか、それぞれがその場その時に合わせた、鋭い勘を働かせていること。
では、新人ドバイバーはどう頑張ってもベテランのドライバーには勝てないのか!?
どうやら昨今はそうともいえないようだ。新人ドライバーたちの大きな味方といえるのが、大和自動車交通が、ソニーと共同で開発したAIによる「需要予測サービス」。その驚きの機能を紹介する。