タクシー業界の秘密兵器。乗客と車をマッチングする「AI需要予測サービス」_2
Z22MA第003号

大和自動車交通が日本初導入したソニーのAI需要予測サービスとは?

カーナビと同じ位置に設置されているので、一見、カーナビと間違われやすいが、ソニーグループが開発し、大和自動車交通が日本で初めて導入した、AIによる「需要予測サービス」を知っている人はまだ少ないだろう。

このAIによる「需要予測サービス」は2019年から開発を進め、2021年にサービス導入開始、2022年7月には東京都内を走る大和自動車交通グループの約2000台以上のタクシー車両すべてに搭載されたこ。これはお客さんを乗せた後に機能を発揮するものではなく、その前…どのポイントにタクシーを待っている人がいるか、どこを走らせたら、お客さんがたくさんいるのかを予測するシステムだ。

言ってみれば、過去の膨大なデータとベテランドライバーの経験と勘をそのまま搭載したような優れもの。効率的にお客さんとマッチングできる秘密兵器なのだ。

機能その1: 需要予測
東京都内を500m四方ごとのエリアに分割。需要が高いとAIが予測したエリアが赤くハイライトされ、高需要スポットをピンポイントでドライバーに知らせる。お客さんが乗りやすいスポット等を約2年間、AIが学習し、サービスの提供に至った。

機能その2: おすすめルート表示
目的地までお客さんを運んで戻る際、お客さんが乗る確率が高いスポットを経由するルートをAIが提案してくれる。不得意なエリアからも無駄なく戻ることが可能に。

機能その3:特需発生通知
電車の運休、遅延情報、大型イベントの終了など、タクシー需要が急速に高まるエリアや時間帯をリアルタイムで検出し、ドライバーに通知するサービス。もしかしたら今、東京のどこで何が起きているか、一番詳しいのは、タクシードライバーかもしれない。

機能その4: 空車動態表示
今、走っている道の前に、何台の空車が走っているのかを地図上にリアルタイムで表示してくれる機能。運転手にとって目の前の空車はただの商売敵でしかない。即座に道を変え、新たなお客さんとの出会いを提供してくれるのだ。

などなど、ここでは全ては明かせないが、ドライバーにとって有益な情報を得ることが出来るシステムが搭載されている。うまく活用すれば、新人ドライバーでも、入社後すぐに、ベテランドライバー並みの収入を得ることが可能だとか。

我々乗客にとっても、乗りたい時に空車が来てくれやすいサービスというのは、嬉しい限りである。

また、乗車だけではなく、街でタクシーを見かけた時に思わずワクワクしそうな最新の広告サービスを最後に紹介したい。