公共性は地上波が守るという信仰

DAZNはワールドカップの放送を独占せずに、他の放送局との共存をすることとなった。公共性を重視したのはもちろんだが、サッカーのライトファンが盛り上がることで加入数が増加することにも期待していただろう。「980円」という料金表示をめぐって批判を浴びた「DAZN SOCCER」の問題は、それを示しているようにも見える

動画配信サービスであれば、日本代表戦を含む試合の通常放送は無料、人気解説者の解説入り放送は有料などと階層を設けることができるはずだ。公共性を担保しつつ、サービスを提供する側は独占配信のメリットを享受できる。視聴者側も解説入りというコンテンツに納得して有料サービスに加入できるのではないか。

日本は2002年のワールドカップ日韓大会以降、NHKと民放各局が共同購入する方式を採用してきた。その仲介役を電通が務め、大型のスポーツイベントの公共性を守ってきたという歴史がある。

そうして実績を積み重ねた結果、地上波が「スポーツの公共性」を担保する守護神のように見られてきた。

変化が訪れたのは2022年のカタール大会だ。ABEMAが全試合を無料配信するという異例の体制が取られた。そして、2026年はDAZNが全104試合配信の枠組みに加わった。

「スポーツの公共性」をどこが守るのか。それを根本的に見直すタイミングに入っているように見える。

惜しくもブラジル代表に1-2で敗戦した日本代表(写真/JMPA)
惜しくもブラジル代表に1-2で敗戦した日本代表(写真/JMPA)
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取材・文/不破聡