NetflixのWBCは3140万人が視聴

6月11日(「日本時間6月12日)に開幕する北中米W杯はDAZNが全104試合を生配信し、NHKと日本テレビ、フジテレビが日本代表戦など注目度の高い試合を生放送する。

DAZNはW杯開催期間を含む2026年4月21日から8月30日までの申し込み限定プランとして、「DAZN SOCCER」を提供する。スタンダードプラン月4200円に対して、サッカープランは年間プランの月々払いで月2600円、年間総額3万1200円。DAZNは日本代表戦は無料で配信。

これまでの日本はW杯での代表戦が異常とも言えるほど注目度が高まる特有の文化があったが、DAZNはそうした国民感情に配慮しつつ、サッカーのコアファンを獲得する狙いがありそうだ。

2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)はNetflixが日本で独占配信した。Netflixにおける日本国内の視聴者数は3140万人に達し、Netflixとして過去最大の配信数となった。注目度が高かった日本対オーストラリア戦だけでも1790万人が視聴している。

動画配信事業者にとって、スポーツコンテンツは当たり外れのリスクが低く、多くの視聴者を呼び込むことができる。Netflixは若年層に強いサービスであり、野球に興味関心が高い中高年層を引き入れて新規契約者の属性に厚みをつけられるというメリットもあった。

アニメや恋愛リアリティショーなど若年層の人気コンテンツが豊富なNetflix(写真/shutterstock)
アニメや恋愛リアリティショーなど若年層の人気コンテンツが豊富なNetflix(写真/shutterstock)
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こうしたプラットフォーマーによる強気の姿勢が、放映権料の高騰に一役買っているのは事実だ。

一方、プラットフォーマーの課金圧が高まり、国民がスポーツの視聴を制限されることを牽制する動きもある。日本政府はスポーツ中継の在り方を議論すべく、有識者会議を立ち上げ、5月20日に初会合を開催。

松本洋平文部科学大臣は5月22日の会見で、「収入ですとか年齢、地域などに関わりなく幅広く国民がスポーツに親しむことができるように、国民のスポーツを観る機会の確保をすることが重要だと考えている」とコメントした。

この発言の念頭にはイギリスの事例があるようだ。イギリス政府は1996年に放送法を改正、有料テレビ局の一部スポーツの独占放送を禁止した。その結果、アメリカのメディア企業が次々とスポーツ中継の放映権を独占。視聴者層が限られてしまったのだ。

この制度や考え方は、後にヨーロッパやアジアの国々にも広がり、現在は「ユニバーサル・アクセス権」として広く知られるようになった。オリンピックやワールドカップなど、国民が無料で見られるべきことが望ましい公共性の高いスポーツイベントを指定し、有料放送局の独占を禁止しようとする動きだ。

しかし、競技団体の資金調達を制限するという負の側面も持っている。2019~2022年サイクルではFIFAの総収入のうち、45%程度は放映権料が占めると言われている。放映権料は増加傾向にあるが、収入が増えることでサッカー人口の拡大やインフラの整備にも繋がっているはずだ。こうしたビジネスに国が介入するという危うさも持っている。