6年ぶりに受信料の未収数は減少

6月23日、NHKは2025年度決算を発表した。NHK単体の事業収入は0.1%増加している。ごくわずかな増収だが、NHKにとってその意味合いは大きい。

NHKは2023年10月からの受信料の値下げの影響もあり、減収が続いていた。2025年度も1.5%ほどの減収を見込んでいたが、増収での着地である。受信料収入の減少幅が抑えられたことに加え、その他事業収入・財務収入が伸びたことが増収につながった。

NHKは2025年10月に受信料特別対策センターを設置。督促・民事手続きを強化し、長期間支払っていない世帯や事業所に対して民事訴訟などの法的手続きを進めた。2026年3月には北海道と福岡県のホテル運営会社に対し、合計2220万円の支払いを求めて提訴。NHKが事業所を相手に受信料の支払いを求める民事訴訟を起こすのは7年ぶりだ。

こうした強気の取り組みが奏功して、2025年度の受信料の未収数は174万件で、3000件減少した。未収数が減少に転じたのは実に6年ぶりである。NHKは受信料収入がほぼ横ばいになったところに、その他の事業収入が加わったことで増収へと持ち込むことができた。

いっぽう、2025年度はNHK単体で318億円の赤字を出した。前年の449億円の赤字から131億円圧縮しているものの、黒字化にはほど遠い。NHKは中期経営計画にて事業支出改革を掲げ、2027年度の事業支出を2023年度比で1000億円削減する目標を掲げている。しかし、その過程にある2025年度の支出額は計画を上回っている。

NHK経営委員会の古賀信行委員長は6月23日の会見後の取材で、「本当は値上げの時期だと個人的に思う」と発言。「だが、そう安易に値上げとは、なかなか言えない状況だ」と付け加えた。物価高の中でコスト削減を進めることの難しさが滲んだ発言だ。

つまり、NHKは受信料の督促強化を徹底し、未収数の減少へと持ち込んだ。しかし、契約対象となる世帯数が頭打ちの状況で、大幅な増収は期待ができない。国民から値上げの理解が得られるとも考えづらい。コスト削減策を確実に進めているものの、物価高が鮮明になった中では施策も限られる。そんな状況に置かれているのだ。

必然的に、コンテンツ販売の副次収入による増収に活路を求めることになる。

大河ドラマにまつわるグッズや関連書籍などは商戦に活路がありそうだが…(写真/shutterstock)
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