森保監督と守田の共通点

もっとも、あのアジアカップ後も、森保監督が守田の言動を監視し続けていたのは事実だ。

例えば、2024年6月のエディオンピースウィング広島での試合後、取材エリアの最後列で筆者が守田に話を聞いてたときのこと。スタジアムの出口へと向かう森保監督がその背後のエリアに来たとき、一瞬歩くスピードを落とし、守田の背中を凝視した。その種の観察は森保監督の得意とするところで、例をあげればキリがない。

蛇足ながら、守田本人の名誉のためにことわっておくと、あのときは「アジアカップの後から、森保さんが『自分の意見をどんどん言っていいよ』と言ってくれているんですよ。森保さんには感謝していますし、懐の深さを感じます」と話していた。

他にも、森保監督が守田をリトマス試験紙にかけるようなイベントはあった。

2024年秋から始まったW杯最終予選では全ての試合前日記者会見にキャプテンの遠藤航を出席させる方針をとった(同年1月からのアジアカップではキャプテンではなく、異なる選手を順番に出席させていたのだが、それが変わった)。

ただ、遠藤が体調不良でメンバーから外れたオーストラリア戦前日の公式記者会見だけは、翌日に代行でキャプテンを任せる守田を同席させた。守田がどんな発言をするかをチェックする格好の舞台だった。

ただ、そこでは記者の的外れな質問が飛んだときに2人が目を合わせるシーンもあったし、誰もがキャプテンを務めるのにふさわしいと思うようなメッセージを守田は発している。


サッカーW杯アジア最終予選のオーストラリア戦を前に、記者会見する守田。手前は森保監督 24年10月埼玉スタジアムにて 写真/共同通信社

サッカーW杯アジア最終予選のオーストラリア戦を前に、記者会見する守田。手前は森保監督 24年10月埼玉スタジアムにて 写真/共同通信社

「僕は森保さんが就任された1年目から招集していただいていますが……これは僕が調子いいから(言うの)ではなく、チーム力は今が一番良いのかなと思います。ただ完成ではない。今後もっとよくなっていくと思うし、関係という部分においてもよりいいものになっていくので、期待していただければ」

また、守田と森保監督の考えには似ている部分もある。

森保監督は指揮官として決定を下すときに、以下の2つの基準に照らし合わせることを明言している。

・次の試合に勝つために有効かどうか
・日本サッカーの将来のためになるかどうか

その前提をふまえて、W杯最終予選に臨む前の守田の言葉に耳を傾けてほしい。

「自分の意見を言わせてもらえるなら、アジア予選と本大会で同じ狙いを持ち、同じような(攻撃的な)サッカーをしたい。本大会で相手が格上だからといって、カウンター1本で勝負するのは、勝つ確率を上げるという意味では間違いないのかもしれないですけど……。

今後、日本サッカーがもう1つレベルを上げるには、そこにトライしないといけない。だから、結果を残すのはもちろんですけど、どんな相手にも通用するような、一貫性のあるサッカーや土台のようなものを作りたいんです」

守田もまた、勝つことと日本サッカーの未来の両方を同時に追い求めるタイプだ。