歓喜と無念が交錯した26人 北中米へ向かう代表メンバー
北中米ワールドカップに臨む日本代表26人の顔ぶれを見てまず突きつけられるのは、4年前の記憶と今回の不在が重なって見えることだ。
2022年、カタールW杯の決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦。日本はPK戦の末に敗れ、史上初の8強には届かなかった。その一戦で1人目のキッカーを務めた南野拓実、2人目のキッカーを務めた三笘薫は、今大会のメンバーに入らなかった。
南野は昨年末に左膝前十字じん帯断裂の大怪我からの回復途上、三笘も今月9日の試合中に左足太もも裏の肉離れを負い、コンディション面で本大会に間に合わないと判断された。2人にとっては、ピッチ上であの夜を塗り替える機会を失う選考になった。
一方で、今大会のメンバーで最年長となる長友佑都の選出は、このリストに特別な重みを与えている。39歳での5大会連続メンバー入りは、日本サッカーにとって歴史的な出来事だ。
ワールドカップを知る選手がチームにいる意味は小さくない。短期決戦では、練習場、移動、ロッカールーム、試合前日の空気まで含めて、大会特有の重圧が選手を揺さぶる。そこで経験者が発する一言、振る舞い、ピッチ外での準備の仕方は、若い選手にとって無形の支えになる。
長友の存在は単なる“精神的支柱”ではなく、チーム全体の緊張を試合に向かうエネルギーへ変換する装置でもある。
ただし、この26人の人選の最大の論点は、こうした感傷でも偉業でもない。最も注目すべきは、中盤、とりわけボランチの人選だろう。遠藤航、田中碧、佐野海舟といったメンバーが入った一方で、守田英正や藤田譲瑠チマは選外となった。
もちろん、前回大会では2列目を担った鎌田大地が今大会ではボランチの主軸となり、場合によってはDF登録の板倉滉や瀬古歩夢が中盤的な役割を担う構成も考えられる。しかし、本職として中央で守備の強度を保ち、ボールを受け直し、相手の圧力を外し続ける選手の数は決して多くない。
森保ジャパンはこれまで、複数ポジションをこなせる選手を重視してきた。今回もその傾向は明確だ。前線には前田大然、上田綺世、小川航基、後藤啓介、塩貝健人らタイプの違う選手が並び、サイドや2列目には伊東純也、堂安律、中村敬斗、久保建英、鈴木唯人がいる。DFラインにも、センターバックとサイドをまたげる選手が複数いる。
つまり、森保監督は「固定された最強の11人」よりも、「試合ごと、時間帯ごとに形を変えられる26人」を選んだと見るべきだ。













