「何とかなるよ」が地獄の始まり

その時点で、契約を見送れば良かったのだが、マンションの設備などを見て、どうしても住みたい気持ちが捨て切れず、「まぁ、何とかなるよ」と、2人は購入を決断したのだった。

しかし、何とかなるはずもなく、すぐに住宅ローンの返済に苦しむようになる。

その大きな要因は、年2回のボーナス返済があることと、毎月、修繕積立費と管理費が計4万円かかることであった。賃貸住宅のときは発生しなかった固定資産税も重くのしかかってきた。

夫婦の住宅関連の支出は、月9万円どころか、月16万円を超える状況になってしまっていた。当時、2人の年収は計400万円程度。その2分の1以上が、住宅関連の出費という事態である。

切り詰めた生活に陥る夫婦(写真/shutterstock)
切り詰めた生活に陥る夫婦(写真/shutterstock)

それでも、数年は、何とか支払うことができていた。

しかし、コロナ禍となり、夫の会社の業績が悪化すると、ボーナスのカットも含め、給料は下がる事態に陥る。こうして、貯金の切り崩しが始まった。

しかし、このままの状態ではらちが明かない。もっと給料の高いところで働こうと、男性は転職を決意する。