巨人ファンの“聖地”の居酒屋で聞いてみると……

居酒屋でストレスを発散しているのではないかという話が予想より多く上がったため、SL広場からすぐのニュー新橋ビル地下にある野球居酒屋・三冠王も訪ねてみると、巨人に限らず野球好きが集まり、この日も各球団のファンでにぎわっていた。

三冠王の外観(写真/読者提供)
三冠王の外観(写真/読者提供)

スーツ姿の団体客に話しかけると、「巨人が負けると不機嫌になる」という男性を発見! しかし、程度はかなり軽めのようだ。

「昨日(6月19日・日本ハム戦)もノーヒットノーランされかけて超イライラしたよ! 交流戦弱いのに、また汚点を増やすのかと(笑)。でも、周りに当たることはしないね。自分の中で消化してるし、家族も『今日負けちゃったね』くらいの感じで話すだけ」(44歳男性・ファン歴30年以上)

巨人ファンの男性(撮影/集英社オンライン)
巨人ファンの男性(撮影/集英社オンライン)

隣にいた別の野球ファンの男性は言う。

「俺が小さいころは、そういうおじさんいたよ。学校の先生とか、日本シリーズみたいな大事な試合で巨人が負けると、公立なのに次の日は自習にしたことあったんだから!(笑)。嫁の親父も、負けるとめっちゃ機嫌悪かったもん。

今は野球以外にも娯楽はあるし、もう“絶滅危惧種”でしょ。いたとしても、家族で1つのテレビを見る時代じゃなくて、部屋でスマホやパソコンでテレビを観れるから、不機嫌になる父親は目に入らないんじゃない?」(56歳男性)

続いては、西早稲田の野球居酒屋・酒美道場を訪問。同店は巨人ファンが集まる聖地として有名だが、果たして“絶滅危惧種”はいるのだろうか……。

野球居酒屋・酒美道場の店内はいたるところに巨人のグッズが飾られている(撮影/集英社オンライン)
野球居酒屋・酒美道場の店内はいたるところに巨人のグッズが飾られている(撮影/集英社オンライン)

「父がそうでした。外食に行くとき、カーラジオの中継で巨人が負けてると、せっかくの外食なのに店でも機嫌が悪かったり。家でも、チームが負けていると、私にトレーニングと称してしばらく中腰をさせたりして、完全な腹いせでした(笑)」(36歳男性・ファン歴20年以上) 

みかんとマンゴーで巨人のチームカラーをイメージした人気メニュー「闘魂G党サワー」(撮影/集英社オンライン)
みかんとマンゴーで巨人のチームカラーをイメージした人気メニュー「闘魂G党サワー」(撮影/集英社オンライン)

 「ずっとファンだけど、最近そういう人は聞かないです。たぶんそういうのって、テレビが一家に1台とか、父親が強い時代で、チャンネル権を父が握ってるとかも影響してたと思うから、共働きや男女平等が進むにつれて減っていったんじゃないかと」(34歳男性・ファン歴約25年)

なかには今でも巨人が負けると不機嫌になるという客もいたが、話を聞くと“過去のこと”だそう。現在はすっかり丸くなったというが、なぜ以前は荒れていたのか。