結婚してようやく幸せな日々が過ごせるかと思ったら…

それまで都内ソープ店でマイペースに働いていたA子さんだったが、エース客の座を保つために北海道から福岡までさまざまな地方風俗店に“出稼ぎ”をした。

「だいたい1エリア5日間コースで50から70万稼ぎ、また次の地方を2、3エリア巡って、生理のときだけ都内に帰り一晩で150万円から200万円を使う流れでした。そのうち担当ホストと同棲することになると、もっと逃げ場がなくなりました」

「ホス狂」時代を回想しながら話してくれたA子さん
「ホス狂」時代を回想しながら話してくれたA子さん

同棲してからは、担当ホストのこんな弱い一面も見たという。

「私の次に太い客が切れそうとか、その客が切れると今月の目標額に達成しないとか、弱音を言うんです。そうなると“じゃあ私がもっと稼ぐね”って気になる。弱音を吐く彼を見たくないし、担当ホストの目標を保つことが自分の目標かのようになってしまう」

そしてこの担当ホストは、結婚をエサにA子さんにこんなことを言ったという。

 「バースデーで1000万円のシャンパンを売りたい(注文してほしい)。そしたら入籍しよう」

A子さんが入れた飾りボトル
A子さんが入れた飾りボトル

その言葉を信じて、生理中も含めた1ヶ月半もの地方出稼ぎに出たというA子さん。

「帰ってきたときにあまりに心身が疲弊してしまって、思わず寝ていたホストの首を絞めてしまったこともありました。そしたら起きた彼から“いいよ、好きにして”と言われて、我に返りました。その後、無事に1000万のシャンパンを入れて結婚しました。やった!報われた!と思いましたね」

ようやく幸せな日々が過ごせると思ったA子さんだったが、現実は違ったという。

「そのホストは入籍後、ホスト時代に稼いだ金でバーを開こうとしていました。私は店の経理を担当するはずでした。ふたりで店を持つ夢を叶えるためです。でも店を借りる際のトラブルに巻き込まれお金を持ち逃げされた挙句、投資詐欺にまで引っかかったんです。それがわかった瞬間“この人はダメだ”と目が覚めました」