「夏コン2013の巻」(ジャンプ・コミックス第192巻収録)

今回は、両さん以上の商才を持つ祖父・勘兵衛が、往年の大物海外バンドにまつわるビジネスを大規模に展開するお話とお届けする。

本作は、6月9日からお届けしている、高齢ロックバンドと高齢ファンによるロックビジネスを描いた「C'mon!(カモン)老人ロックフェス!!の巻」(ジャンプ・コミックス第144巻収録)をさらに推し進めた内容となっている。

100歳を越えた勘兵衛だからこそ、高齢者向けビジネスを巧みに展開している。「驚異のシルバーIT(アイテー)!の巻」(ジャンプ・コミックえんス第129巻収録)では、高齢者向け商品の開発に苦戦する両さんに老人たちのリアルな嗜好性をレクチャーし、「ロボット大戦争の巻」(ジャンプ・コミックス第147巻収録)では、アキバ向けメイドロボをベースにした高齢者介護用のセクシーなナースロボを開発していた。

さらに、本作では、バンドメンバーの高齢化への究極の対応法として、「バンドロイド」を開発。メンバーの演奏を完全に再現可能なロボットを、老いた本人と差し替える。

……どうだろう、本作で勘兵衛が開発するロボットは、実在の人間の記憶や思考、技術を学習させて人のように振る舞い、考え、行動する自律AIの原型だといってよい。

「艶歌(エンカ)ロイドの巻」(ジャンプ・コミックス第190巻収録)では、両さんの歌声を再現できるボーカロイドを登場させているが、本作ではその先の未来、すなわち「現在」を予感しているようにも映る。

「艶歌ロイドの巻」より。両さんの預かり知らないところで、「自分の歌」が生成されて大ヒットしていた。ラジカセとカセットテープをスマホに置き換えれば、描かれている内容はまさに現代……。
「艶歌ロイドの巻」より。両さんの預かり知らないところで、「自分の歌」が生成されて大ヒットしていた。ラジカセとカセットテープをスマホに置き換えれば、描かれている内容はまさに現代……。

それでは次のページから、勘兵衛の高齢者向けロックビジネスの手腕をお楽しみください!!