「ロックンロール教育!の巻」(ジャンプ・コミックス第28巻収録)

今回は、犯罪の低年齢化に悩む大原部長と少年課に所属する同年配のオヤジ警察官が、子どもの正しい教育方法に腐心するお話をお届けする。

はっきり言っておくと、本作の内容とタイトルにある「ロックンロール」とはほぼ無関係だ。子どもがロックンローラーの格好をしているだけだ。

本作をお読みいただく前に、ロックとは何ぞや? についてごく簡単にご説明しておこう。

ロックという音楽ジャンルは、アメリカの黒人音楽であるブルースやR&Bを元に、1950年代に生まれたロックンロールに起源がある。ロックンロールとは、Rock=揺れる、Roll=転がるで、性交や乱痴気騒ぎを示す、当時の黒人のなかで使われたスラングだった。

1960年代には、イギリスの白人によるビートルズ、ローリング・ストーンズらによるロックが、世界的に大ヒットしていった。そしてそれがアメリカに逆輸入される形でハードロックが誕生し、70年代に黄金期を迎えた。その後ロックは、グラム、プログレ、パンク、ニューウェイブ、メタル、オルタナやグランジと、進化し続けてきた。

本作が描かれた1981年の時点でのロックのイメージは、「ロック=不良」とは違う。音楽にうつつを抜かしている若者=不良という概念自体が、当時としても相当古くさいものだったのだ。

それでは次のページから、両さんの現代的(といっても41年前の作品)子ども情操教育術をご覧あれ!!