Facebook経由で出会って結婚。独学で家を建設した自給自足生活
――まずは、おふたりの出会いについて教えてください。
ゆにさん 29歳になるタイミングで婚活をしていたのですが、そのとき、たまたま余一さんがFacebookで結婚相手を募集しているのを見て、応募しました。
その投稿には、「結婚相手と一緒に自給自足生活をしていきたい」ということが詳しく書かれていて、自分自身の将来のビジョンと重なる部分があったんです。
それで、余一さんのブログに掲載されていたエントリーフォームから、自給自足生活に対する熱意を文章にして送りました。今思えば、就活の履歴書みたいでしたね(笑)。
余一さん 20名以上から応募が来たのですが、全員と当たりさわりのないやりとりをしても意味がないと思ったので、最初から核心を突くような長文を全員に送りました。相手の女性に求めることや、僕がどんな暮らしをしたいかなどをたくさん書いて送ったところ、返信は半分くらいに減りました。
その中でも、ゆにさんは僕の文章をしっかり受け止めてくれて、同じくらいのボリュームのメールを返してくれたんです。だいたい2回くらいメールのやりとりをした時点で、「もうこの人かな」と思いました。
ゆにさん それからは、週に1〜2回、長文メールを送り合うようになりました。長いときには、1回で5000文字くらいのメールを送ったこともあります。1ヶ月ほどそうしたやりとりを続けたあと、ゴールデンウイーク過ぎに、余一さんが住む青森へ東京から会いに行きました。
余一さん お互い結婚を前提にしていたので、そこからはトントン拍子に進みました。その年の9月から僕の実家で一緒に暮らし始め、同居して半年後には籍を入れました。
――余一さんが自作した家には、いつから住んでいるんですか?
ゆにさん 2018年の冬に息子が誕生し、生後半年経って暖かくなったタイミングで引っ越しました。それからは、家族3人暮らしをしています。
――余一さんは、どうして独学で家を建てようと思ったのですか?
余一さん 自分の家を自分で建てられない生物って、人間だけなんですよね。ほかの生物は本能的に自分の巣を自分で作っていますよね。
その辺にあるものを使って自分の家を作って、その辺にあるものを食べて暮らしている姿が、すごく素敵だなと思ったので、僕もまずは見よう見まねでやってみようと思ったことがきっかけです。
あと、家賃や家のローンを払い続けるのが嫌だったんですよ。自分で家を作ってしまえば、家賃を払う必要はなくなるし、材料も廃材を使えば、かなりコストを抑えられると考えたんです。
――もともと建築などに関する知識があったのでしょうか?
余一さん いえ、まったくなかったですね。手を動かしながら、すべて独学で覚えていきました。家は2011年から建て始めたんですが、当時はインターネットにもあまり情報が出ていなくて。
それで、図書館に行って本で調べたり、その辺にある建物をよく観察したりしていました。9割は自分1人で建てて、僕だけでは運べない重い資材などを移動させるときは、友人に手伝ってもらいました。
――自作した家の建築費と期間は?
余一さん 建築費は13万円くらいで、期間は7年くらいかかりましたね。