「C'mon!(カモン)老人ロックフェス!!の巻」(ジャンプ・コミックス第144巻収録)

今回は、100歳越えのスーパー爺さん、両津勘兵衛が超高齢者によるロックフェスを開催するお話をお届けする。

そもそもなぜ「ロックの日」が6月9日なのかというと……「ロック」=「6」と「9」の語呂合わせから来ているという、非常にベタな理由だ。

もちろん、他の言語圏ではそんなことはまったく関係ない。1950年代のロックンロールスターだったエルヴィス・プレスリーや、1970年代から80年代にかけてグラムロックでカリスマ的人気を博したデヴィッド・ボウイがいずれも1月8日生まれであることから、「ロックの日」をこの日とする説もある。

なお、勘兵衛たちの“お達者倶楽部”的なロックバンドは、かつての演歌ファンのような支持層をガッチリと掴んでいる。これには「全然ロックじゃねえ!」と怒りを覚える筋金入りのロックファンもいるかもしれないが、ロックの全盛期は1970~80年代。

対して、本作が描かれた2004年には、アメリカのチャートを席巻していたのはヒップホップ音楽だった。つまり、本作の時点で、ロックは充分にオールディーな音楽ジャンルだったのだ。

現在のロックバンド&ファンの高齢化は、本作で描かれている状況そのものともいえる。

ローリング・ストーンズのボーカリスト、ミック・ジャガーは82歳。エアロスミスのボーカリスト、スティーヴン・タイラーは、声帯を痛めて昨年に引退を宣言した。メンバーが亡くなってバンド活動がストップすることも多い。

ちなみに、作中で勘兵衛がレパートリーにしている「天国の階段」は、正確にはレッド・ツェッペリンの1971年の楽曲「天国への階段」のことだ。演奏中にその階段を登らないよう、勘兵衛にはいつまでも元気に活動して欲しいものだ。

それでは次のページから、お元気老人たちによる熱狂のロックフェスをお楽しみください!!