世界第二の化学肥料消費国のインドは国産化へ
化学肥料の国際価格が値上がりしたことで、食料安全保障の観点から国産化を進めたり、需要を満たすために増産したりする国が出てきた。
国産化に舵を切ったのがインドだ。同国は、中国に次ぐ世界第二の化学肥料消費国で、2022年時点で世界の肥料の16.1パーセントを使っていたが、輸入頼みを改め、自給率を高めようとしている。代表的な窒素肥料である尿素を増産すべく、大規模な工場を建設するなどして、ここ数年、肥料の輸入量を大きく減らしている。
リン酸に関して、ノルウェーで大規模な鉱床が発見されたとのニュースが2023年に世界を駆け巡った。今後50年の世界の需要を満たせるリン鉱石が埋蔵されていると報じられている。
ただし、経済的、技術的に果たして実際に採掘できるかどうか不明で、糠喜びはできない。肥料業界の関係者に聞いても、「眉唾」とか「期待薄」との冷めた見方が多い。