浮き彫りになる地方の悪質ホストクラブの違法性
ホストクラブがひしめく東京・歌舞伎町では今年4月から売掛金(ツケ払い)の自主規制が行われている。10月24日には坂井学・国家公安委員長が歌舞伎町を視察し、対策強化を進めている。まだ完全に浄化されたとは言いがたいが、現在は東京より地方のホストクラブの悪質さが目立っている。
今年10月には、強引な営業方法で女性を監禁・恐喝などした、大阪のホストクラブの店長らが逮捕された。女性客に自らを彼氏だと思わせることで高額なお金を支払わせたりする、「一撃マニュアル」と称した犯行を計画的に行うためのマニュアルなども押収され、その悪質性が浮き彫りになっている。
関西地方在住の大山チカコさん(仮名・57歳)は娘のマナミさん(仮名・28歳)が4年前からホスト狂いとなり海外の風俗へ出稼ぎに出ていることを集英社オンラインに語った。
チカコさんと夫は娘の無事を祈りながら「いつか正気に戻ってほしい」と涙ながらに語っていた。取材から1年、娘はどうなったのか再び話を聞いた。
「実は前回の記事が出た直後に、マナミから『この記事はなんですか?』と怒った口調でメールがきました。私は『これが正直な気持ちです。あなたはホストに洗脳されていると思っているし、そのホストに娘が関わったばかりに我が家から笑いが消え、苦しみのどん底に落とされた』と返しました。そのメールに返信はきませんでした」
もともとは保育士だったマナミさん。コロナ禍にマッチングアプリで名古屋のホストクラブの当時従業員だったRと出会い、誘われるままホストクラブに通いはじめた。
そこでお金を遣いはじめ、まずはガールズバー勤務、次にメンズエステ店、そしてデリバリーヘルス、さらには海外への出稼ぎ売春と、より“稼げる”職に仕事を変えていったようだ。
「当時、主人がマナミに貸していたiPadやiPhoneの履歴から勤務先が判明しましたし、3000万円に膨れ上がった売掛金がRの個人口座に振り込まれていることもわかりました。娘は2022年から今年9月に至るまで、オーストラリアの売春組織に5回出稼ぎに出ています。
メールの内容から、それらの指示はRや同業の別の指示役から受けているようで、売掛金の残金が現在いくらかはわかりません」