期待の度合いと“村神様”の共通点

昨年はWBC世界一に続き、阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝くなど話題尽くしだった野球界。今年もさらなる盛り上がりが期待されるなか、ファンが期待するのは昨年末のドラフト会議で指名された122名(支配下72名・育成50名)の新人選手たちや、ブレイク前夜の若手選手たちで競われる新人王(最優秀新人)争いだ。

昨シーズンはセ・リーグが村上頌樹選手(25・阪神タイガース)、パ・リーグが山下舜平大選手(21・オリックスバファローズ)と、ともに2021年入団ながら、昨年まで1軍出場がゼロだった投手が受賞した。果たして今年は誰がブレイクするのか。

そんな一生に一度しか得るチャンスのない激しい新人王レースの行方を占うべく、東京ヤクルトスワローズの2軍本拠地・戸田球場と、埼玉西武ライオンズの2軍本拠地・CAR3219フィールドで2軍戦を観戦していたお客さん100人にアンケートを実施。コアなプロ野球ファンはいったい誰に注目しているのだろうか。

戸田球場にいた40代の男性はこう話す。

戸田球場外の土手から2軍戦を観戦する親子
戸田球場外の土手から2軍戦を観戦する親子
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「新人王に近いのはベイスターズの度会(隆輝)選手(21)でしょう。エース級の相手投手の球を簡単にはじき返すし、150キロ超の速球にも力負けしておらず、新人とは思えない。オープン戦だけ好成績を残す新人は多いですが、度会はちょっと別格。自分はヤクルトファンですが、うちのチームのピッチャーじゃ抑えられる気がしません(笑)」

DeNAの新入団発表で話すドラフト1位の度会隆輝外野手(写真/共同通信社)
DeNAの新入団発表で話すドラフト1位の度会隆輝外野手(写真/共同通信社)

昨年のドラフト会議で3球団から1位指名を受け、競合の末、横浜DeNAベイスターズに入団した度会隆輝選手。社会人ナンバーワン野手との呼び声も高く、オープン戦から絶好調。打率.434を記録し、史上2人目となるオープン戦新人首位打者に輝いた。

同チームの三浦大輔監督にも開幕戦1番スタメンを名言されるなど、注目度は新人でナンバー1といえるだろう。ちなみに、度会選手のお父さんはヤクルトで活躍した度会博文だ。

同じく戸田球場にいた20代の男性も度会を推す。

度会選手の名前を挙げた男性ファン(左)
度会選手の名前を挙げた男性ファン(左)

「度会選手はプレー以外でも新人離れしています。今年のキャンプ期間中の練習試合で彼は、自分の打席でもないのに一人ベンチで『いいよー!』『もっと行こう!』などずっと声を出していたんです。

普通ルーキーの選手がそんなことできませんよね。同じく新人王を獲ったヤクルトの村上(宗隆)も入団2年目でベンチから声を出していたので、私もあの光景を観て、度会選手は絶対活躍すると確信しましたね」

得票数は本アンケート堂々1位の39票だった。