明太子ブランドとのコラボ高級缶

手軽でリーズナブルなサバ缶とは一線を画すのが、「明太王鯖」(ふくや)。ふくやといえば、福岡県内のみならず、全国的にも知られる明太子の名店。缶詰を製造するのは鯖街道の起点、福井県小浜市にある福井缶詰だ。

チョコレート、麻辣、トムヤンクン…「ニューウェーブ系サバ缶」が続々!_10
「明太王鯖」(ふくや) ¥900

「明太子界、缶詰界のトップが手を組んで生まれた贅沢缶です。1000円近くする高級缶ですが、内容量165gとボリューム満点。明太子もたっぷりで質、量ともに満足いくことを思えば、一度味わってみる価値ありです」

福井県若狭町発、宇宙へ旅立ったサバ缶

最後に紹介するのは「明太王鯖」と同じ製造元から発売された「若狭宇宙鯖缶」(福井缶詰)。福井県の若狭高校海洋科学科(※2015年の統合前は小浜水産高校)が、課題を受け継ぎながら14年かけて、のべ300人以上の生徒が関わって完成した宇宙食。2020年に国際宇宙ステーションで野口聡一さんが食べたことで話題になった。そして今年3月8日、語呂合わせで「サバの日」に商品化された。

チョコレート、麻辣、トムヤンクン…「ニューウェーブ系サバ缶」が続々!_11
「若狭宇宙鯖缶」(福井缶詰) ¥756

「味付けは醬油煮。甘みが強めの濃い味付けには理由があります。無重力だと味覚が変化して、味が薄く感じるそうで、宇宙食用に『濃い目にしてくれ』とリクエストがあったから。田舎のおばあちゃんが作ったような郷愁をさそう甘じょっぱさ。特徴はタレのとろみ。無重力で飛び散らないよう、葛粉が使われています。宇宙に旅立った味か、と思いながら口にすると感動もひとしおです」

気になるひと缶をパカっと開ければ、サバ缶新時代の到来を感じることだろう。

取材・文/小林 悟
撮影/松本 侑