マイナンバーとマイナンバーカードではセキュリティがこんなに違う!

マイナンバーとマイナンバーカードの違いについてここでは、そのセキュリティについて、少し詳しく説明したいと思います。

「マイナンバー制度」では、その人が本人であることの証明に、2種類の証明書を使っています。「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」です。

「署名用電子証明書」は、マイナンバーの12桁の数字を使うもので、その暗証番号は英数字混合の6~16桁と、外からハッキングされにくい厳重なつくりになっています。

しかも、マイナンバーは、役所での業務や、電子申告する時に国税庁とやりとりするといった、限られた場所でしか使われません。

たとえていうなら、窓のない厳重に警戒された部屋に、さらに入室時に厳しい身元チェックをされるようなものです。

しかも、この部屋は、政府が全力を挙げてガッチリとガードしているので、もし、情報漏れが起きたら、政府が全責任を負います。

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いっぽう、マイナンバーカードにあるICチップは、「署名用電子証明書」のほかに、「利用者証明用電子証明書」を使っています。

マイナポータルへのログインや、マイナ保険証の利用、コンビニ交付などで使われ、こちらの暗証番号は、たった数字4桁です。

たとえていうなら、「マイナンバーカードの部屋」は、出入り口や窓がたくさんあって、ICチップと4桁の暗証番号があれば、いつでも入れるのです。

なぜ、「署名用電子証明書」に比べて、マイナンバーカードの「利用者証明用電子証明書」によるセキュリティがこんなに緩いのかといえば、民間の業者でも使えるように利便性が優先されているからです。

文/荻原博子 写真/shutterstock

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ISBN:978-4166614226
マイナンバーカードに、いったい何が起きているのか?
7000件以上の誤登録、医療現場でのシステム障害など、トラブル続きの「マイナ保険証」。さらに2024年秋には、現行の健康保険証は使えなくなる――。見切り発車、その場しのぎの続く政府の対応への不信感もつのる。このままの状態でマイナンバーカードの「拡充」が進めば、情報流出のリスク、情報弱者切り捨てなどの問題も増大するだろう。政府を挙げて暴走するDX政策の罠を、利用者の目線でわかりやすく解き明かす。 
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