総理が「総点検」させればさせるほど情報流出の危険が!

マイナンバーカードでは、あまりに自治体などの入力ミスが多いので、岸田首相は河野大臣らに命じて、「マイナンバーカード」の総点検をすると宣言。2023年の8月上旬には、中間報告をするよう指示しました。

これに対して、自治体からは「冗談じゃない」という声が上がっています。

世田谷区の保坂展人区長は会見を開き、「目に見えないウイルスとの戦いに3年間、総力を挙げて取り組んだ。マイナンバーの不具合も、目に見えない人為的なミスやシステムのバグとの戦いなのかもしれないが、これに自治体の資源を短期的に集中させ、人海作戦で検証してくれというのは筋が違う。どう考えても不合理だ」と述べました。

つまり、金も時間もなく人も少ない自治体に、総点検を丸投げされても、とても対応できないということです。

ただ、保坂区長のように国に物申す首長は多くはいません。人材派遣会社に丸投げのところも目につきます。

いま人材募集の広告を見ると、次のようなものが山のように出ています。「未経験歓迎」「履歴書不要」「在宅勤務も可能」ということで、人材派遣会社が人を集めているのです。

こんなに恐ろしいマイバンバーカード…「女性なのに別人男性で顔認証」「人材派遣会社に丸投げ自治体」あなたは狙われている!_6

「マイナンバーカード」の申し込み確認をするというのは、秘匿義務が高い仕事のはず。ところが、外部の、それも未経験者をバイトで使うだけでなく、履歴書がなくてもいいというのは、どんな人が業務を行っているかというチェックもほとんどないということです。

しかも、「在宅勤務も可」です。個人の大切な「マイナンバーカード」の申し込み確認を、どこの誰かもわからない人が、自宅で行っているなんて、通常なら考えられないでしょう。もし、情報流出が起きたら、誰が責任を取るのでしょうか。

さらに、時給は他の募集を見ても1500円から2000円とかなり高くなっています。これは、はっきり言って私たちの税金です。

岸田首相や河野大臣が総点検させればさせるほど、現場は情報流出の危険性が高まるという、本末転倒なことになっているのです。