「確かに蚊が来ないかも」と喜んだのも束の間。
やっぱりいつものように……

雑木林エリアを進むこと数分。
……あれ? おや?

蚊があまり寄ってこないような気がする。
こ、これは! 確かに効果があるのではなかろうか。
そう思いはじめた僕は、さらに効果を高めるため、「おにやんま君」を、持参した伸縮棒の先端に取り付け、あたかも飛翔しているような演出もしてみた。
見ようによっては、完全におかしな人だ

伸縮棒の先につけて飛翔する姿を演出
伸縮棒の先につけて飛翔する姿を演出

確かに蚊が来ない! やったぞ! これは素晴らしい‼️
単純にも、そんなふうにひとしきり喜び興奮する僕の耳に、次の瞬間、同行していた妻が発する冷ややかな声が聞こえた。
「いや、いるよ。いっぱい」
振り返ってみると、「おにやんま君」を振り回しながら歩く僕の背後を、数匹の蚊が虎視眈々と追跡しているのが見えた。

そのうちの一匹が僕の帽子に止まった。
そして機会をうかがうように、息を潜めている。
そこで僕は、「おにやんま君」をそいつにそっと近づけてみた。
だけど彼は怯える様子もなく、逃げ出すこともない。
頭の中に?マークが浮かんできた。

とまっている蚊に近づけてみたのだが…
とまっている蚊に近づけてみたのだが…

おい、蚊よ。オニヤンマさんだぞ。食っちゃうぞ。怖くないのか?

だが、蚊は身じろぎもしなかった。
ここで見逃すと、こいつは次に首筋へ飛び移り、いただきますとばかりに口吻を僕の柔肌に突き立てるはずだ。
みすみす刺されるわけにもいかないので、僕は手を振り回し、僕にたかる他の数匹もろともそいつを追い払った。

さらにその1分後。
犬の小用に付き合うため立ち止まった瞬間を狙いすましていたかのように、膝下あたりに一匹の蚊がとまった。かと思ったら、電光石火の早業で吸血を開始してしまったのだ。
ああ、やられた。
あかねちゃん! 何やってんのよ‼️

もう刺されてしまったものはしょうがない。
どっちみち痒くなるのは避けられないので、僕は慌てず騒がず、「あかねちゃん」をTシャツから外して、血を吸い続ける蚊にゆっくりと近づけてみた。
「ほら、食っちゃうぞ〜食っちゃうぞ〜」というセリフ付きで。

「あかねちゃん」をまったく恐れず吸血する蚊
「あかねちゃん」をまったく恐れず吸血する蚊

でも、完全に無視された。ちっとも恐れる様子はない。
そしてたっぷりと血を吸って満足したのか、余裕で僕の足から離れて飛び去ってしまった。

これが、いっさいの忖度抜きで「おにやんま君」と「あかねちゃん」の、蚊に対する効果を検証した結果です。
要するに、多少の忌避効果があるような気はするけど、絶対的なものではないということだ。
特に僕のような体質の人は、刺されるときは刺される。蚊取り線香の信頼感には、到底およばない。