人生3回目の車中泊旅に出発。
行き当たりばったりで、進路は西に!

思うところがあり、車中泊の旅をはじめたのは2022年・春のことだった。

以来、自力カスタムした激安中古のスズキ・エブリイ号を駆って、公共交通機関を使わない、宿に泊まらない、高速道路を使わないという3原則を自分に課しつつ、東北中部地方の山間部を旅してきた。

生まれ育ち、半世紀以上暮らしてきたにもかかわらず、もしかしたら知らないことだらけの我が祖国、日本の今の姿をこの目で見るために。

そして年が明けて間もない2023年1月半ば、冬の車中泊旅を敢行した。

事前に何も計画しないことも僕の旅の特性だが、進む方向だけは決めていた。

Go West! 西へ!

真冬の車中泊の旅―四国のど真ん中で食べた初めての“ミリメシ”が五臓六腑にしみたワケ_1
出発地点は、デュアルライフ民である僕の第二の家がある山梨県・山中湖村
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おっさん一匹が地べたを這うように、行き当たりばったりで西へ西へと向かった車中泊の旅。
それは過去2回の旅と同様、特に大きな事件も起こらぬ、平凡なものではあったが、そのいきさつに少しでも興味のある奇特な人のために、本稿を書いている。

いきなりだが、今回の旅を始めて4日目、1月17日のことを書こう。
上記のように僕の車中泊旅には、自分で自分に課した3つの大きな縛りがあるのだが、今回に限って4つめの臨時ルールを緊急追加した。

それは、店で食事をしないこと。

一般的に言えば、土地土地の産物である美味しいものを食べるというのは、旅の大きな楽しみだろう。
それを敢えて放棄するというのだからいささかマゾ的だし、あまりにもバカだと思われるかもしれない。

でも、これには重大な個人的理由があった。

ダイエットのためだ。

出発する前から薄々気づいていた体重の著しい増加をはっきりと認識したのは、初日に訪れた温泉施設の脱衣所の体重計の上でだった。
これはマズイ非常にマズイと青ざめた僕は、この車中泊の旅の期間を利用して、食事制限をすることにした。

普段は育ち盛りの中学生の娘を含む家族で暮らしているお父さんに、日常生活での食事制限などなかなかできない。
1日3食を自分の裁量で決められる旅行中が、ダイエットにもっとも適しているはずなのだ。

よって、何回かに分けてお届けしようと思っている今回の旅行記には、グルメ情報がほとんど登場しないけど悪しからず。
と言いながら、第1回目の今回、これから書こうと思っているのは食事についての話だ。