大学生活を救った偶然の「自己開示」

しかし意外なことに、この一件が私の大学生活を救うことになります。それまでイマイチ距離を詰められなかった語学のクラスメイトたちが、親身になって失恋話に耳を傾けてくれたのです。

私は男子校生活が長かったため、「女子のクラスメイト」はかなり縁遠い存在でした。それなのに、こともあろうか女子が8割を占める文学部のフランス語クラスに入ってしまい、緊張と混乱の連続。何を話せばいいかわからないし、自分から変なニオイがしてるんじゃないかという妄想に取り憑かれ、女子の隣では授業にまったく集中できない。同じ班のよしみでお昼ご飯に混ぜてもらうものの、会話の糸口すらつかめない日々が続きました。

大学で「女子が8割」のクラスになじめなかった僕が、彼女たちとの距離を縮めることに成功した「偶然の自己開示」_2
写真はイメージです

そんな中、思わずこぼしてしまった失恋の愚痴。すると……女子たちはキャッキャと盛り上がり始め、「私もこないだ彼氏と別れてさ」と痛みを共有してくれたり、「それは清田くんにも非があったかもね〜」と冷静に経緯を分析してくれたり。しまいには「元カノの写真見た〜い♡」なんて展開にもなり……これを機に、みんなとの距離がグッと縮まっていったのです。

当時、私の中には「どうせ俺の失恋になんか誰も興味ないだろう」という気持ちがありました。また、「元カノに未練タラタラの男なんて気持ち悪がられるのではないか」という恐怖もありました。しかし、失恋のつらさに耐えかね、つい弱音を吐いてしまった。それによって意図せず「自己開示」をすることができたのです。