「自分たちが負けたとも思っていないので」
——今回は9番手、ビスケットブラザーズの後でしたね。
辻 最悪ではないけど、最高でもなかった。キングオブコントの歴史を振り返っても、6、7、8番手あたりがいちばん有利。9、10番手まで遅くなると、お客さんも疲れてきて、やや尻すぼみになるイメージがある。
あと、ビスブラ(ビスケットブラザーズ)の後というのも、嫌な感じはありましたね。特に今年のビスブラのネタは、2人がブリーフ姿になったりするので、見た目が派手やった。そのぶん、自分たちのネタが地味に見える可能性があったんで。
ケツ 僕もビスブラの後は嫌でしたね。ビスブラとはいつも同じ劇場でやっていて、めちゃめちゃウケているのを見ているので。その余韻が残る中でやることになるんかな、と。普段は何とも思わないんですけど、賞レースになると話はぜんぜん変わってきますよね。
——今回のキングオブコントには、ニッポンの社長とビスケットブラザーズの他にロングコートダディも出場していて、今の大阪吉本のコントシーンを代表する3組が初めて顔をそろえた大会でもありました。
辻 それも嫌やったんですよ。ここと戦わなあかんのかって。仲間ですけど、単純に強力なライバルじゃないですか。この3組のうち誰かが優勝するやろなと思っていたんで。
——最終的にビスケットブラザーズが優勝して、辻さんの予感は的中しました。大阪の力を見せられたという気持ちもあるとは思うのですが、やはり悔しいものですか。
辻 いや、別に悔しさはないですね。自分たちが負けたとも思っていないので。やってることも、別に間違ってない。優勝して、ええなとは思いますけど。お笑いの賞レースで負けて悔しいというのがよくからないんですよ。スポーツやったらわかるんですよ。格闘技とか。誰が見ても負けじゃないですか。ただ、お笑いの勝ち負けは、どこまでも主観なので。他人の評価で負けて、悔しいと思ったことはないですね。