賞レースのために「コアなファンを裏切れない」
——3年連続3回目の決勝の舞台は、辻さんにとって「ラストチャンス」だったと話していました。今、次の大会に向けては、どんな風に考えているのですか。
辻 もう1回死んでいますからね。もちろん、出る前提ではいますけど、今年は出ないという選択肢もありなのかなと思っています。
——もうエントリーすらしないという意味ですか。
辻 準決勝で負けたら、ただマイナスなだけじゃないですか。次回以降は、相当いいネタを作らんと厳しいと思うんですよ。今大会で、ニッポンの社長は決勝に出てもハネへん、というイメージもついてしまったと思うんで。だからいろいろ試した上で、よっぽど新しい要素を出していかんと。ほんまに自信のあるネタができない限り、躊躇してしまう気はしますね。
——それとなくツッコむ感じがニッポンの社長の持ち味だとは思うのですが、わかりやすくツッコむネタもあるにはあるんですよね。
辻 ありますね。ただ、派手なんはないですね。声を張ってむちゃくちゃツッコんだりするのは一個もないんじゃないかな。ボソボソやるのはあるんですけど。でも、いくらツッコミがあるとは言っても、そんなテンションの低いネタで優勝した組って、過去、1組もいないじゃないですか。
やっぱり熱量が伝わりやすいネタの方がいい。……って考えると、やっぱり、もっと新しいことにチャレンジしないと無理なのかなって思うんですよ。
——これでもかというほどボケ倒して、声を張ってツッコむとか。
辻 でも、それをやったら、僕らじゃなくなってしまうじゃないですか。
——そこは、譲れない部分もありますよね。
辻 そんなことをしたら、コアなファンを裏切ることにもなる。「昔のほうが好きやったな」とか思われたくないじゃないですか。