不幸の連打が止まらないミックスの役から、
変わり者の弁護士まで幅広く

2009年には私が推す外国人の役が松潤に巡ってきた。それが『スマイル』(TBS系列)で、演じたのは、フィリピンと日本のミックス・ビト役。小麦色の肌はメイクを施していたと思うけれど、顔立ちは申し分がないほどの彫りの深さだった。生来の濃ゆい顔立ちが功を奏していた……という説もある。
1996年10月に『ドク』で香取慎吾が演じたベトナム人も「……完璧だな」と、見た目に感動したけれど、それを超える逸材がまだ日本の俳優にいたとは思いもよらず。

さて『スマイル』。ビトはどこまでも不幸な役だった。見た目で勝手な判断をされたり、無実の罪を着せられたり。果ては殺人事件に巻き込まれて、刑務所に放り込まれてしまうのだ。毎週見ていて切なくなったけれど、役柄、内容すべてを加味したうえで、強い印象を残してくれた。

最後は記憶に新しい『99.9―刑事専門弁護士―』(TBS系列・2016年)の深山大翔役。天才弁護士ではあるけれど、一言でまとめるとあまり友人関係を築きたくない、変わった人物だった。

尋常ではない細かな聞き込みをしたり、イチャモンをつけたり。ただそれが真実に繋がっているのだから周囲は何も言えず。ニヤニヤしながら耳たぶを触って、親父ギャグを連発する深山は、これまで並べてきた“キャラ強め”の役群にふさわしい。