お尻でタバコを吸いながら、「もう僕はだめなのだ」

【漫画あり】お尻でタバコを吸いながら「もう僕はだめなのだ」――19歳の春、家賃2万円の四畳半から始まった「たま」結成への道_7
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――どのモードかがその時で違うんですね。面白い。

どこかのホールでライブがあって、いまいちうまくいかなかったんです。そしたら楽屋に戻ったら柳原がいきなり化粧を始めて、ライブ終わったのにですよ?「何してんの?」って言ったらバカボンのパパのメイクをして、お尻でタバコを吸いながら、「もう僕はだめなのだ」って言ってて(笑)。そういう、くだらない三枚目モードの時もあれば、キリっとした二枚目モードできちんとやるんだっていう時もあって、それも面白かったです。

――柳原さんは最初に「たま」を脱退して、少し他のお二人とは距離がある感じがするんですけど、石川さんはSNSなどで今も柳原さんについて言及している時がありますよね。交流はあるんですか?

直接の交流はそんなにないんですけど、2年ぐらい前に一度、下北沢で会いましたね。別のライブハウスでお互いライブやってて、「あ、近くでライブやってんだ」っていうので、楽屋に行ってちょっと雑談して。今回のこの漫画が出るっていうので本人にも許諾とかの連絡を取る機会があったし、あとは友達のミュージシャンが亡くなったりして「今度お別れ会があるんだよ」ってメールしたり、事務的ではありますけど、してますね。

――柳原さんも含め、元メンバーのみなさんは今回の漫画化についてなんておっしゃってるんですか?

何も言ってないです(笑)。もともとね、3人ともね、何かについて感想を言うっていうことがない人なんですよ。こっちがよっぽど強く聞けば答えてくれるかもしれないけど、何もなければ向こうは「あ、漫画、ありがとね」ぐらいしかない。でも何か「ここ間違ってるよ!」っていうのがあれば絶対、知久くんとかクレームつけてくるタイプなんで(笑)。

「あそこはそうじゃなかったよ。石川さん記憶違うよ!」とか言うタイプなんで、そう言ってこないってことは、好意的に受け止められてるのかな。

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