平均年齢弱冠15歳のパワフルなガールズパンクバンド、
その名はザ・リンダ・リンダズ

メンバー全員アジア系およびラテン系のアメリカ人女子で構成されている、ロサンゼルスのパンクバンド、ザ・リンダ・リンダズをご存知だろうか?

ギター&ボーカルのベラ・サラザール(ステージネーム リンダ・リンダNo.1)は最年長だが弱冠の18歳。
ベース&ボーカルのエロイーズ・ウォン(同 リンダ・リンダNo.2)は14歳。
ギター&ボーカルのルシア・デラガーザ(同 リンダ・リンダNo.3)は15歳。
ルシアの妹でドラム&ボーカルのミラ・デラガーザ(同 リンダ リンダNo.4)に至ってはなんと12歳という、若い若いバンドだ。

時を超えて聴かれ継がれ、海を越えて歌い継がれる名曲『リンダ リンダ』のすごさとは_1
THE LINDA LINDAS
写真左上から時計まわりに、エロイーズ、ルシア、ベラ、ミラ
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平均年齢15歳の彼女たちは2018年の結成以来、数々のライブに出演したり自主制作でシングル曲を発表したりするなど精力的な活動をしてきたが、注目度が一気に高まったのは2021年5月のことだ。

地元ロサンゼルスの公立図書館が主催したイベントに出演し、オリジナル楽曲の『Racist, Sexist Boy』を演奏した動画をTwitterに投稿したところ、爆発的に拡散。
世界中の音楽ファンに知られる存在になっただけではなく、さまざまな有名アーティストや大手マスコミからも称賛された。

そしてロサンゼルスの名門パンクレーベルである、エピタフ・レコードと契約を結んでメジャーデビュー。
以降もコンスタントに新曲を発表し、2022年4月にはファーストアルバム『Growing Up』を発売している。

時を超えて聴かれ継がれ、海を越えて歌い継がれる名曲『リンダ リンダ』のすごさとは_2
THE LINDA LINDAS『GROWING UP』

彼女たちは、すでに来日も果たしている。
2022年8月におこなわれた夏フェス、サマーソニックに出演し、耳が早い日本の音楽ファンに大喝采で迎えられた。

まさに現在進行形で成長中のこのバンド、持ち前の骨太サウンドに加え、主義主張も筋が通っている。
代表曲である『Racist, Sexist Boy』はタイトル通り、人種差別や性差別という厄介な社会問題に対して、真っ向から立ち向かう内容。
ドラム担当の最年少メンバーであるミラが、学校で同級生から受けた人種差別の経験を基に作った曲だ。

結成間もない2019年には、アメリカのパンクバンド、ビキニ・キルの再結成コンサートで前座の務めている。
ビキニ・キルとは、1990年代初頭にワシントン州を中心に起こったRiot Girrrl(ライオット・ガール)というフェミニズムとサブカルチャーを融合させた運動の、中心的役割を担ったバンド。
リンダ・リンダズはそんなシーンともすでに繋がりができているのだ。

また、彼女たちに“年相応”なんて言ったらまったく失礼な話なのだろうけれども、ポップで楽しい曲も得意としている
エモいメロディを聴かせる2022年3月発売の8枚目シングル曲『Growing Up』や、元気で可愛らしい最新のホリデーシングル『Groovy Xmas』などの評価は高く、YouTubeにアップされているPVも再生回数を伸ばしているようだ。