何十年も掲げてきた政策の実現へ

「あなたの給料が安いのは、政治や法律が原因かもしれない」社民党・福島みずほが信じる「政治は希望」の意味_3

――確かに、そういった接戦の状況はありえますね。

さらに言えば、「政治は数」とよく言われますが、数でもないと思うんです。自分が投票した人に勝ってほしいって気持ちはわかるけど、馬券じゃないんだから(笑)。国政は大きいし、首長選挙だと一人しか当選しないけれど、自治体議員選挙には何十人か通るから、やっぱり自分の考えに近い人に投票をするのがいいと思います。

6月の杉並区長選では、現職有利と言われるなかで、岸本聡子さんの草の根民主主義や、みんなの街はみんなで作ろうといった主張が、多くの人の心を捉えて流れが変わり、187票差で当選しました。つまり、何が言いたいかというと、選挙に行くことだけが政治じゃない、と私は思っているんです。

1千万件を超える「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートに後押しされて、検察庁法は廃案になり、石川優実さんの「#KuToo」運動の広がりで、厚労省のガイドラインも変わります。あなたが日常的に感じている「生きづらさ」をつぶやくことで、政治が変わることは山ほどあるんです。それを信じてほしいし、「政治は変わる」ということは言っていきたいですね。

―――ちなみに、7月の参院選ではNHK党から出馬したガーシー氏も当選を果たしましたが、どう思われましたか?

ごめんなさい。実は彼のことをあまり知らないんですよ。ただ、こっちもSNSに力を入れようかなとは思いました(笑)。
7月、SNSで私のことを「フェミニズムのレジェンド」と紹介してくれている人がいたんです。私は何十年も選択的夫婦別姓だし、ずっとやってきたことだから、自分では発信してるつもりでいたけど、「そうか、知らない人は知らないのか」と思って。

今は、新聞を読む人、テレビを見る人、どこの新聞を読んでいるかで、社会が蛸壺化されていると思います。特にインターネットやSNSは自分の仲間と交流することがほとんどなので、同じような情報ばかりになるじゃないですか。そういった意味では、私たちも発信の方法をもっと工夫をしなくちゃいけないなと思いました。