日常的に劇団員のお尻や胸を…

ーー提訴した相手は、日常的にセクハラを繰り返していたそうですね。

大内(以下同) 一番最初におかしいなと思ったのは、(被告の劇作家が)日常的に劇団員の方に抱きついて胸を触ったり、お尻を触ったりするのを見たことです。それを周りの劇団員は止めるのではなく、「またやっているよ」と。何だろうこのノリはと疑問を抱いていたんです。

稽古終わりに台本の相談があるからちょっと来てくれと呼ばれて飲みの席に行くと、隣に座れと言われて、お酒が入ってくると気性が変わって「片親の女はちょろい。お前は父親がいなかったから愛情に飢えている。だから扱いやすい」「俺は今までいろいろな女を抱いてきた。女優は頼めばヤラせてくれるんだ」とか、信じられない発言をされました。

大内彩加さん
大内彩加さん
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ーー大内さんは、どんなセクハラをされたんですか?

ある日、稽古の休憩中に肩を揉んでくれと言われて肩を揉んだときに、そのまま胸をガシッと揉まれて……私はびっくりして固まってしまって。それからは、毎回(肩揉みを)頼まれるようになって、嫌ですと言っても私の手を掴んで逃げられないようにして胸を揉んでくる。他にも、突然胸を触ってきたり、羽交い締めにしてきたり、抱きしめたりするようなハラスメントが日常的に行われるようになりました。

ーー性被害にもあったそうですね。

2018年7月にまず福島公演を皮切りに東京公演が始まるんですけど、東京公演中にレイプされました。そのときも、谷を含む5人で飲み会が行われて、そのうちの1人の客演の女の子が帰るときに私も一緒に帰ろうとしたんですけど、帰してくれなくて。私は劇場から近い場所に住んでいて、終電が遅いことも谷は知っていたので、腕を引っ張られてその場に残されました。

それから羽交い締めにされて、放してくださいと言っても放してくれなくて。そのまま胸を揉まれて、服の上から手を入れられて直接胸を触られて。すごく抵抗したんですけれど、力の差は歴然で。そのまま終電を逃したからお前の家に行くって言われて。

それだけはやめてもらわなきゃと思って、「近くのホテルを取ったらいいじゃないですか」「タクシーで家に帰ったらいいじゃないですか」って言ったんですね。そしたら、「奥さんにも連絡したからお前んちに行くぞ」って言われて、そのまま無理やりタクシーに乗せられて。

私の家が1LDKで2部屋あったんです。しょうがないからベッドのある部屋で寝てもらって、私は隣の部屋で扉を閉めきって朝までどうにか過ごそうと思ったんですけど、そのまま腕を引っ張られてベッドに押し付けられて、無理やり服を脱がされて、レイプされてしまいました。