「殿堂入り」はあくまで最終手段に

かつてクイズ番組には圧倒的に強い人が一人はいた。『クイズダービー』(TBS)でいえば、はらたいらだし、『クイズヒントでピント』(テレビ朝日)でいえば浅井慎平である。その宇宙人のような正解率を多くの視聴者は楽しんでいた。

時は流れ、あまりに強すぎるプレイヤーは敬遠されるようになっていき、クイズ番組も知識量だけを競うものから閃きを問うようになったり、逆におバカ解答が求められるようになっていった。

だが最近は『東大王』(TBS)の隆盛、QuizKnockの人気、『高校生クイズ』(日本テレビ)の再ガチ化など、シンプルに強いプレイヤーがもてはやされる時代がまたやってきている。

クイズに限らない話だが、周りが白けるほど強いプレイヤーが出てきた時にどういうルールを考えるか、そこはスタッフと出演者の知恵比べになる。

「殿堂入り」で排除してしまうことは、最終手段であって、安易に使うべきではないだろう。

前述の『ウルトラクイズ』では、「この形式だと負けます」と言った大石に対して「いろんな形式で勝ててこそ真のクイズ王だと言えます」と語った能勢はその後、優勝までたどり着いた。

テレビはエンターテイメント。ガチで強いプレイヤーもそうでないプレイヤーも平等に競えるルールを考え続けるテレビマンを応援していきたい。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太