「ガンビア人はシャイですけど、すごく心優しい国民性です」

西アフリカに位置するガンビア共和国。その日本唯一の公館は、なんと名古屋にあるガンビア料理店「JOLLOF KITCHEN」の2階にある。名誉総領事館の名誉総領事を務めるのはレストランの店主でもあるビントゥー・クジャビ・ジャロウさんだ。

一般的に外国の大使館や領事館は専用の建物があり、専任の職員がいるイメージのため、4月中旬、Xでその意外性から大きな話題となった。

ジャロウさんは現在58歳。1991年に来日し、2015年からは在名古屋ガンビア共和国名誉領事(2019年から名誉総領事に格上げ)を無給で務めている。ビザの発給や、日本在住のガンビア人のサポートだけでなく、日本に対してガンビアの魅力についての発信も続けている。

日本にはまだなじみが薄い国だが、ジャロウさんはその魅力についてこう語る。

「ガンビアは自然が豊かで料理もおいしい国です。観光で訪れる外国人も多く、人々もとてもフレンドリーですよ。自分で言うのは恥ずかしいですが、本当にいい国です。毎年50人から100人の日本の方が訪れていて、4人ほど住まれています。逆に、現在日本には200人ほどのガンビア人が住んでいます」

ガンビアの美しい景色
ガンビアの美しい景色
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そこに暮らす人たちはどんな国民性なのだろうか。

「ガンビア人はシャイな人が多いですが、一度つながった人との関係をとても大切にします。ずっと挨拶をし合うような関係が続くんです。貧しい人に食べ物を分けたり、住む場所や仕事を提供したりすることも珍しくありません」

そもそもジャロウさんはなぜ日本に来たのだろうか。全く文化の違う日本になじむのは大変だったのではないだろうか。名誉総領事になるまでのパーソナルストーリーもきいた。

「最初はパートナーが日本語を勉強するのに付き添う形で日本に来ましたが、1年後には子どもが生まれたので、子育てしながら働くようになりました。大学で英語を教えたり、ガンビアやアフリカの文化について講演したりしていました」

当時のガンビアには大学がなく、勉学のために海外に出ることは特別なことではなかったという。

「兄弟はスウェーデンやカナダにいますし、親戚も世界中にいるので、旅行してもホテルはいらないんです(笑)」

一方で、日本での生活は決して順風満帆ではなかった。

「来日したての頃、日本語は本当に難しくて、話すことも読み書きもできませんでした。だから、買い物もできないし、公共交通機関も使えない。来たばかりの頃は毎日のように泣いて、帰りたいと思っていました」

転機となったのは出産だった。

「子どもが生まれて、『この子たちを守らなきゃいけない』と思ってから強くなりました。本やテレビ、演歌を聞きながら独学で必死に日本語を覚えました」

ジャロウさん(写真/本人提供)
ジャロウさん(写真/本人提供)