「知らないものに不安を持つのは当然のこと」
さらに現在は状況も変わってきたという。
「最近はそういうことはほとんどありません。日本人の皆さんが、外国人を見かける機会や、外国の文化や歴史に触れる機会が増えてきているからだと思います。昔、子どもが学校でつらい思いをしたこともありましたが、先生たちは真剣に向き合ってくれました。
子どもたちももう成人して一人暮らしをしていますが、周囲の日本人といい関係性を築けているようです。ただ、本人たちはその時のことは思い出したくないそうで、あまり私からも当時の話はしないようにしています」
印象的なのは、その受け止め方だ。
「日本人が差別的だと思ったことは一度もありません。知らないものに対して不安を持つのは自然なことですから」
だからこそ、こう続ける。
「文化を知るきっかけがあれば、誤解は生まれないと思います。私は名誉総領事としてそのきっかけを作る役割を果たしたいんです。だから、無報酬で経済的に厳しいとはいえ、可能な限りガンビアの魅力についてもっと知ってもらえるように活動していきたいです」
異国で言葉も分からず涙を流した日々の中で出会った一人の日本人との関係が、彼女の人生を大きく変えた。
“名誉総領事”という肩書きの裏側にあるのは、国家間だけではなく、人と人とのつながりの積み重ねだ。“知らないこと”が壁になるのだとすれば、“知ろうとすること”は、その壁を越える最初の一歩になる。日本とガンビアとの懸け橋になろうとするジャロウさんの矜持を見た。
取材・文/集英社オンライン編集部













