水面下で進めていたココイチの多業態化
多業態化も外食企業のトレンドの一つである。展開するブランドの強化を図っているのが、すかいらーくホールディングスだ。2026年3月に定食チェーン「しんぱち食堂」の運営会社を投資ファンドから110億円あまりで買収すると発表した。
すかいらーくは2024年10月に資さんうどんの運営会社を買収。主力レストランのガストを急ピッチで同ブランドに転換している。これはガストの単価が上がって集客力が落ちたため、低単価の資さんに転換して客数を増やそうというものだ。
しんぱち食堂はガストと比較すると低単価で、出店エリアは都市部の繁華街に集中している。すかいらーくは郊外のロードサイドに強みを持つため、ブランドと出店形態における弱点を買収によって克服することになるのだ。
吉野家ホールディングスもラーメン店を複数買収しており、そのノウハウを活かして吉野家ブランドの店でもラーメンを提供するようになった。これも牛丼だけでは生き残れない多業態化だ。2025年12月には競合の松屋フーズホールディングスもつけ麺店を取得している。
多業態化については、ココイチも取り組みを強化している。2020年に北海道旭川市にあるジンギスカンの名店を買収。それ以降もラーメン店や博多もつ鍋店などを次々と取得し、2025年12月には夜パフェ専門店を傘下に収めた。
しかし、ココイチには多業態化がすんなりと進まない事業がある。カレーショップの9割がフランチャイズ加盟店なのだ。直営店であれば、転換を進めてブランドポートフォリオを強化できるが、ココイチの場合はフランチャイズオーナーの意向を汲む必要がある。オペレーションや収支計画が様変わりする業態転換を、オーナーが簡単に受け入れるとは考えづらい。
ココイチが直営店での店舗展開を強化するのかどうか。今後の動向には注目だ。
取材・文/不破聡













