「営業二課金太郎班。」(集英社文庫・コミック版7巻収録)
懇親会で乱闘・セクハラ騒ぎ
『サラリーマン金太郎』第69話では、発足したばかりの金太郎班が、とんでもない船出をする。
まず、この班の顔ぶれがすでに穏やかではない。上司を殴った元警察官・早田、将来を嘱望されながらプロ野球を去った男・加瀬、世界を放浪していた29歳の新卒女性・良子、日系4世のアメリカ人・ジェームズ、そしてなにより、前科持ちのチームリーダー・金太郎だ。
早田が金太郎の逮捕歴を探っていると、金太郎は隠すどころか「少年院入れりゃ全部で六回だ」と、牢屋に入った回数をあっさり言い放つ。「前科持ちのサラリーマンがいたらまずいのかい」と返すあたりも、いかにも金太郎らしい。
さて、そんな連中の懇親会が始まるのだが、当然、まともに終わるはずがない。野球拳が始まり、良子はなんと下着まで脱ぎ去ってしまう。そこへ店の酔客が絡んでくる。
90年代の会社文化には、歓迎会や宴会で一気に距離を詰めようとする空気があった。日本企業は長く、こうした社内行事や密なコミュニケーションを通じて“同じ会社の人間”としての一体感を作ってきたとされる一方、新入社員歓迎会やその二次会でのセクハラが裁判で争われるようにもなっていた。
そうした流れなのか、現在では新入社員歓迎会を実施しない会社も増えてきていて、2024年のある調査では、約4割は「歓迎会を実施しない」と答えている。
ただ、この回で面白いのは、そのハチャメチャな歓迎会が、そのまま金太郎班の結束の瞬間にもなっていることだ。良子がセクハラ客に絡まれると、早田が「やっていいか主任」と聞き、金太郎も「おおーっやれいィ」と即答する。
早田は乱闘騒ぎを起こし、それに金太郎も加勢する。結局いちばんむちゃくちゃなのは金太郎なのだが、それでかえってチームの絆が深まっていく。
歓迎会で野球拳、脱いで、喧嘩。しかも主任は前科持ち。冷静に並べるとむちゃくちゃだが、だからこそ、このチームの“普通じゃなさ”が一発で伝わる。
ここから金太郎班は、仕事の話へと入っていく。こんな歓迎会をやった連中が、この先どんなやり方で仕事を取っていくのか。続きはぜひ漫画で確かめてほしい。























