「金太郎、部下を持つ。」(集英社文庫・コミック版7巻収録)
金太郎が丸くなった…?
『サラリーマン金太郎』第68話は、主任に昇進した金太郎が、自分の班を持つところから始まる。この班に集められたメンバーが、相当な曲者ぞろいだ。
上司を殴って辞めた元警察官。将来を嘱望されながらプロ野球を去った男。日系4世のアメリカ人。さらに紅一点の川口良子は、大学時代にシベリア鉄道でソ連へ渡り、そのまま世界を10年近く放浪していたという、とんでもない経歴の持ち主である。昨年ようやく大学に戻って卒業したため、新人でありながら29歳だ。
ここで黒川社長はなぜこういった人材、特に良子のような29歳の新人を採ったのかを語る。
「自分の探究心と好奇心を満足させるため、若者が自発的に行動を起こしたとすれば、あっという間に30歳という年齢になってしまうでしょう。日本の企業はそれらの若者を受け入れる門戸を閉ざしております。
新入社員採用に年齢制限を設け、そういう独特の感性を持った人材を日本の会社は入社させません。新卒の大学出をとり、会社の中で純粋培養して育て、結果として会社の中の仕事以外は何もしらない世間知らずに育ててしまう」と。
この考えは、連載当時としてはかなり先を行っていただろう。今でこそ、学歴や年齢を気にする企業は徐々に少なくなっていると言われているが、黒川社長は30年前からこの考えにたどり着いていたのだ。
なお、その考えをいちばん体現しているのが、ほかでもない金太郎である。高卒で、元暴走族総長。しかも会長の命を救ったことがきっかけで会社に入った男なのだから、金太郎こそ“純粋培養社員”とは真逆の存在だ。
さて、金太郎チームはこの先、どのような伝説を作っていくのだろうか。個性あふれるメンバーを、ぜひ漫画で確かめてほしい。























