日本ブランドではなぜダメなのか
我が国にも帝国ホテル、オークラ東京、ホテルニューオータニの「ホテル御三家」、長野県の上高地帝国ホテル、三重県の志摩観光ホテルといったクラシック・ホテルもある。パレスホテル東京、ザ・キャピトルホテル 東急、箱根町の強羅花壇などに加え、「星のや」や「ふふ」などホスピタリティが魅力のホテルや旅館もある。
こうしたホテルや旅館もミシュランガイドの「ミシュランキー」を得るなど世界的にも評価されている。また最近では日本特有の風情や旅情を理解し、旅館や古民家を好む外国人観光客も増えているのも確かだ。
しかし、海外富裕層やインバウンドにとって、普段使いなれた外資系ラグジュアリーブランドホテルの安心感が勝るケースが圧倒的に多い。勝手のわからない国へ旅行するとき、馴染みのあるブランドホテルはやはり信頼感がある。
マリオットやヒルトンにしか泊まらないと決め込んでいる人も多く、「マリオット ボンヴォイ」や「ヒルトン・オーナーズ」などの上級会員ステータスの獲得や維持のため、マリオットやヒルトンありきで旅行先を決める外国人もいる。
悲しいことではあるが、「日本の地方にはいいホテルがないから行きたくない」と嘆く海外富裕層の声も聞く。スキー場でいえば、志賀高原や野沢温泉、蔵王温泉などは、ニセコや白馬に匹敵、時に凌駕するようなスケールや景観および雪質を有しているものの、エクスペディアなどホテル予約サイトで検索しても「馴染みの」ホテルを見つけられない。旅行先の選択肢から外れる一因になってしまう。
なぜ、「おもてなし」に優れた日本のホテルや旅館よりも、外資系高級ブランドホテルが優先して選択されているのだろうか。それは海外富裕層を含むインバウンドが日本独自のサービスではなく、グローバル・スタンダードなサービスを求めているからだ。前述した「何もしない贅沢」など、海外富裕層のニーズを的確につかむことが必要不可欠だ。
アスペンやクールシュベル、ハワイやモルディブ、コートダジュールなど並み居る世界的な観光地・リゾート地は、こうした顧客のニーズを的確に捉えるノウハウがある。もし日本のリゾートがそれを目指すのであれば、闇雲に「おもてなし」するのではなく、彼らの性格やライフスタイルをよく理解しておく必要があろう。













