100円ショップの主要取引先の株価が堅調な理由

株式市場において、生活用品への価格転嫁が進むことへの懸念と期待感を示す興味深い現象が起こっている。セリアやキャンドゥ、ワッツの株価は軟調だが、ダイソーやセリアなど100円ショップ向けの日用品製造を手掛けるレックの株価が堅調なのだ。

レックは2月13日に発表した決算が好調で、株価は急上昇した。その後、中東情勢が緊迫化しても大きく値を崩すことはなかったのだ。

レックはメラミンスポンジ「激落ちくん」の大ヒットで知られる会社だが、プラスチックを使った低価格の日用品に強みがあり、1990年代にダイソーの運営元である大創産業の主要な取引先となった。セリアも大口取引先の一つである。

仮にナフサ価格の高騰が続いて、レックがプラスチックや合成繊維などを使った商品の取引価格を引き上げなければならなくなった場合、利益も押し上げられる可能性が高い。市場は利益が増えることによる増配に期待しているのではないか。

ナフサの精製工場(写真/shutterstock)
ナフサの精製工場(写真/shutterstock)

レックの原価率は2023年度以降、70%を超える水準にある。インフレの影響をすでに受けていたのだ。ここに更なる原材料高が加わると、取引価格の改定も考えざるを得ないだろう。

セリアは2023年度から原価率が58%を超えるようになった。2022年度は56%である。やはり、インフレの影響を受けているのだ。仕入れ価格が上がった場合、価格転嫁をするべきか選択を迫られる可能性がある。

こうした状況は何もセリアに限ったことではない。キャンドゥの原価率は62%、ワッツも61%であり、両社の原価率はすでに6割を超えている。キャンドゥとワッツはセリアよりも営業利益率が低く、原価が上がれば価格転嫁を進めざるを得ないのだ。

飲食においては牛丼店が典型的な例だが、安い商品を販売するブランドは値上げが客足に大きく影響する。中東情勢の緊迫化で100円ショップの株価が軒並み下がっているのは、消費減退を嫌気したものだろう。