中年のおじさんが目覚めた瞬間
かつて“冴えない中年のおっさん”だった白石進さん。外食チェーンから、現在も勤める外資系医療機器メーカーの営業職に転職し、仕事の付き合いやプライベートで毎晩、何軒も「はしご酒」する日々を送っていた。白石さんは笑って振り返る。
「身長が172cmあるのですが、当時は体重が83kgまでいったかな。恥ずかしい話、この40代の頃は『昔、スポーツをやっていた、ガッチリした身体』のつもりでいたんです(笑)」
ダサい、イケてない――そんなふうには、これっぽっちも思っていなかった。だって白石さんは大学時代、体育教師を目指す課程に在籍し、アメリカンフットボールに明け暮れていたから。
当時の体型は、どちらかといえばスリムマッチョ。それが、月日が経つにつれ、みるみる「おじさん」化に突き進んだ。当人としては「引退したプロレスラー」の体型だったつもりだったのに……。
じつは白石さん、その少し前に離婚を経験している。そのショックから、しばらく酒に溺れた日々を送ってしまった。そんな折、たまたまスポーツジムの壁に、ある大会のポスターが貼られているのを目にした。
それは「ベストボディ・ジャパン(BEST BODY JAPAN、BBJ)」。健康美とバランスの取れた「細マッチョ」な肉体美を競う、日本最大級のボディコンテスト「BBJ」――。
「これ、年齢別だったら俺、全然いけんじゃん?」
そう安易に考え、自らの姿を鏡で見て仰天した。とてもじゃないが、そんな大会に出られる身体じゃない……。
それから白石さんは生まれ変わった。ベンチプレスに腹筋運動。「炭水化物を摂らなければ痩せるはず」。そう短絡的に考えた彼は、野菜、鶏むね肉だけをむさぼり食い続けた。誰にも相談せず、無茶苦茶な方法で、白石さんは自らを追い込んでいった。
「今だったら絶対にそんなやり方はしない(笑)。炭水化物も、筋肉をつくる上では大切ですから」(白石さん)













