「金太郎、辞表を書く。」(集英社文庫・コミック版5巻収録)
金太郎がついにサラリーマンを辞める?
退職願と退職届。この2つの違いを、なんとなくは知っていても、きちんと説明できる人は意外と少ないかもしれない。
一般的には、退職願は「辞めたい」という意思を会社に願い出るもの。一方で退職届は、退職が決まったあとに最終的な意思表示として出す書類とされることが多い。つまり退職願を書くというのは、「もう辞めるかもしれない」と腹をくくった瞬間でもある。
そんな“会社を辞めるための書類”を、あの金太郎が一人で書いている。ただごとではない。
『サラリーマン金太郎』第47話は、爆弾事件の黒幕が見え始めるなかで、金太郎がついに“サラリーマン”という立場そのものを投げ捨てようとする回だ。
前話では、河北市の巨大利権をめぐる争いのなかで、伊郷や青葉家にまで小包爆弾が送りつけられた。しかも青葉家に届いたのは、金太郎の息子・竜太宛ての立体絵本を装った爆弾である。これはもう、仕事の争いではない。金太郎にとっては完全に一線を越えた出来事だった。
金太郎は街中で柴幡工務店の社員と遭遇し、問い詰める。「てめえじゃねえのか、爆弾仕掛けやがったのは」。
と、ここで思わぬ繋がりが明らかとなる。柴幡工務店の社員が連れている幼い息子が、金太郎を見て「あのおじさんだよ。僕を火の中から助けてくれた人」と言い出すのだ。
実は金太郎、この少し前に火事の現場で人助けをしており、それが偶然にも、相手側の家族だったのだ。その事実が社員の態度を変え、ついに爆弾事件の真実が明かされる。仕掛けたのは、北東総研の倉本社長、市役所幹部、そして地元のヤクザらの仕業だと……。
これを聞いた金太郎は、暴走族時代の昔の仲間を河北市に招集し、自分は一人、退職願を書く。
「これを我慢するのがサラリーマンだってんなら、やめたぁーーーっ」
再び暴走族に戻った金太郎。いったいここから、どんな戦いが始まるのだろうか。























