イスラエルは中東における圧倒的な軍事的優位を再確立
地政学的には、イスラエルが長年掲げてきた「抵抗の枢軸」の無力化が、米国の圧倒的な軍事力によって達成された。
2025年12月にフロリダ州のマール・ア・ラーゴで行われた米イスラエル首脳会談において、ネタニヤフ首相は既にこのシナリオをトランプ氏にませていたと呑ませていたという。当時の報道によれば、ネタニヤフ氏は数カ月以内にイスラエルがイランのミサイル基地に攻撃するのを承認するよう求めていたとされる。
この戦略的成功により、イスラエルは中東における圧倒的な軍事的優位を再確立した。一方、米国は「アメリカ・ファースト」を掲げながらも、実態として他国の安全保障のために膨大な資源を投下するという矛盾を露呈させた。
アクシオス(3月3日)では、ルビオ氏の発言について「外交政策における地殻変動だ」と指摘し、米国の利益よりもイスラエルの安全保障が優先されたとの見方が強まっていることを裏付けている。
最も深刻な影響が出ているのは、米国の国内政治である。トランプ氏の熱烈な支持層であるMAGAインフルエンサーたちが、今回の攻撃を「イスラエルによる米国利用」として激しく批判し始めている。
「最悪の釈明」「最悪の裏切り」
著名なMAGA系インフルエンサーのマイク・サーノビッチ氏による「ルビオ氏の発言はレコードの針が飛んだ瞬間だ。多くの人が推測していた事実を口にした」という言葉(3月3日)は、支持層の失望を象徴している。
保守系論客のマット・ウォルシュ氏も「イスラエルに手を引かれて戦争に入ったと公言するのは、最悪の釈明だ」と批判を強めている。
また、ガーディアン紙(3月1日)の記事では、トランプ氏の元支持者であるマージョリー・テイラー・グリーン元下院議員の「我々は『もう外国の戦争はいらない』と言ってきたはずだ。これは最悪の裏切りだ」という糾弾を報じた。
さらに、ローリング・ストーン誌(3月1日)は、タッカー・カールソン氏やアレックス・ジョーンズ氏といった保守層に強い影響力を持つ人物たちが、今回の攻撃を「核による世界大戦への軌道を加速させるものだ」と非難している様子を詳報した。
ピュー・リサーチ・センターが2025年10月3日に発表したデータによれば、米国人の約6割がイスラエル政府に対して否定的な見方をしており、トランプ氏の行動は自身の支持基盤を根底から揺さぶっている。













